政府の専門家会議は19日、人工知能(AI)の研究開発や活用を推進するAI基本計画の改正素案について、大筋で合意に達した。この素案では、日本が独自に研究開発できる能力を持つAIに関する主権、いわゆる「AI主権」の確立を新たに打ち出す一方、自民党から提言があった悪質な事業者への罰則新設については、議論を継続することとなった。
AI主権の強化を明記
改正素案では、安全保障の観点から、他国に依存せず、国内で研究開発や自律的な運用が可能な能力を備えるAI主権の強化を盛り込むことが新たに明記された。これは、日本がAI分野で自立した立場を確保するための重要な方針と位置づけられている。
罰則規定めぐる議論
事業者への罰則規定については、引き続き議論が行われる。昨年9月に全面施行されたAI法には、国が事業者に対して助言や指導を行う規定は存在するが、罰則は設けられていない。しかし、昨年以降、生成AIが日本のアニメキャラクターを無断で使用して動画を制作するなどの問題が相次ぎ、自民党などから罰則の検討を求める声が上がっている。
19日に記者会見した自民党デジタル社会推進本部の塩崎彰久事務局長代理は、「非常に強力なAIが登場した際に、その仕様について十分な説明責任を求めることができなければ、リスクの所在を把握することも困難になる」と述べ、罰則の必要性を強調した。
政府の慎重姿勢
政府は、開発や活用を促進することを目的とするAI法に罰則は馴染まないとして、慎重な姿勢を示している。しかし、4月に発表された新型AI「クロード・ミュトス」など、高度なAIの登場といった状況の変化を踏まえ、担当者は「アップデートは必要であり、文言はともかく、しっかり検討していく」と述べ、今後の検討に含みを残した。



