選挙ポスターに「中国」と書かれた紙片を貼り付ける 公職選挙法違反容疑で50代男性を書類送検
三重県警察本部は2026年3月4日、同年2月8日に投開票が行われた衆議院議員選挙において、三重3区から中道公認で立候補した岡田克也氏の選挙ポスターに「中国」と書かれた紙片を貼り付けたとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同県桑名市に住む50代の男性を津地方検察庁に書類送検したことを正式に発表しました。男性の認否については、現時点で明らかにされていません。
複数の掲示場で繰り返された犯行とスプレー落書き
捜査2課の調べによりますと、容疑者は1月27日に桑名市内の10カ所の掲示場において、岡田克也氏の選挙ポスターの左下部分に、赤色の文字で「中国」と記された白色の紙片を貼り付けた疑いが持たれています。さらに、2月3日には同市内の2カ所の掲示場で同様の紙片を貼り付けたほか、別の1カ所の掲示場ではポスターに対して黒色のスプレーを用いた落書きを行った疑いも浮上しています。
この事件は、2月6日に岡田氏の選挙事務所から被害届が提出されたことを契機に捜査が開始されました。警察は掲示場周辺に設置されていた防犯カメラの映像を詳細に分析した結果、容疑者の特定に至ったと説明しています。また、JR桑名駅の付近では岡田氏を中傷する内容のビラが貼られていた事実も確認されていますが、この件については立件を見送る判断が下されています。
岡田克也氏が「公正な選挙の実施を損なう行為」と厳正対処を要求
書類送検の事実を受けて、岡田克也氏は公式コメントを発表しました。氏は「事実無根の動画を視聴したことが事件を引き起こした」と指摘し、「これは公正な選挙の実施を損なう重大な行為である」と強く批判しました。さらに、「厳正な対処を求める」との姿勢を明確に示しています。
今回の衆議院選挙では、岡田克也氏は残念ながら落選する結果となりました。投開票日の前日、氏は街頭演説において「インターネットの世界では私に対する誹謗中傷があふれている。中国のスパイだ、と言われることもある。一部の歪んだネット情報に惑わされないでほしい」と訴えかけていました。この発言は、選挙戦における誹謗中傷の問題を浮き彫りにするものとなりました。
背景にはネット上の批判と日中関係を巡る議論も
昨年11月、衆議院予算委員会において岡田克也氏の質問に答える形で、高市早苗首相が「台湾有事は存立危機事態になりうる」と発言しました。この答弁は従来の政府見解を踏み越えたものとして注目を集め、結果的に日中関係の悪化を招いたとの指摘もありました。この一連の出来事を契機に、ネット上では岡田氏の質問に対する批判的な声が高まっていたことが背景にあります。
今回の事件は、選挙運動における自由妨害行為が具体的な形で現れた事例として、公職選挙法の遵守と選挙の公正性を確保する重要性を改めて社会に問いかけるものとなりました。警察と検察による今後の捜査の進展が注目されます。
