犯罪被害者の裁判関与拡充へ、法制審に諮問 公判前整理手続きも対象
犯罪被害者の裁判関与拡充へ、法制審に諮問

法務省が入る庁舎 法務省は、犯罪被害者や遺族らの刑事手続きへの関与の拡充について、法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方針を固めた。裁判所と検察、弁護側が裁判前に争点を絞り込む「公判前整理手続き」への関与を認めることや、被害者が裁判に関わる「被害者参加制度」の対象事件の拡大などについて、刑事訴訟法などの改正の可否を検討する。

複数の政府関係者が明らかにした。6月にも法制審の総会を開き、平口洋法相が見直しを諮問する方向で調整している。法改正が実現すれば、犯罪被害者の権利保護にとって大きな前進となる。

第5次計画に「多角的な検討」明記

政府は2005年から5年ごとに犯罪被害者等基本計画を策定しており、現在は第5次計画(2021~2025年度)の期間中である。この第5次計画では、犯罪被害者の刑事手続きへの関与について「多角的な検討」を行うことが明記されている。今回の諮問は、この計画に基づく具体的な措置として位置づけられる。

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公判前整理手続きへの被害者関与

公判前整理手続きは、裁判の効率化を目的に2005年に導入された制度で、裁判官、検察官、弁護人が協議し、争点や証拠を整理する。現行法では被害者はこの手続きに参加できないが、改正により意見陳述や質問の機会が与えられる可能性がある。

被害者参加制度の対象拡大

被害者参加制度は2008年に導入され、殺人や傷害致死など一定の重大事件で被害者や遺族が裁判に参加できる。現在の対象事件は限定的だが、諮問では強制わいせつや窃盗などへの拡大が検討される。

今後のスケジュール

法制審では、今後約1年かけて議論を重ね、2026年半ばにも答申をまとめる見通し。その後、法務省は答申を基に刑事訴訟法改正案を通常国会に提出する方向だ。

犯罪被害者の権利保護を巡っては、これまでも段階的な制度拡充が図られてきた。2000年に犯罪被害者等の権利利益保護を図るための刑事訴訟法改正が行われ、2004年には犯罪被害者等基本法が成立。2008年の被害者参加制度導入を経て、今回の諮問は更なる前進となる。

一方で、被害者参加の拡大には、被告人の防御権や裁判の迅速性とのバランスをどう取るかが課題となる。法制審では、専門家や被害者団体の意見も聞きながら、慎重に議論が進められる。

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