行橋市長選、現職と新人の一騎打ちで論戦開始
福岡県行橋市長選挙(2月22日投開票)は、いずれも無所属で立候補した現職の工藤政宏候補(48)と新人の松本英樹候補(67)による一騎打ちの構図となった。市政の継続を目指す現職と、刷新を訴える新人の間で、行橋市の未来を巡る論戦が本格的に始まっている。
現職・工藤政宏候補:故郷への思いとAI活用の交通弱者対策
工藤政宏候補は、茨城県議会議員の秘書として働いていた2011年、東日本大震災を経験したことが人生の転機となった。もともと故郷である行橋市に戻りたいという思いを持っていたが、この経験を通じて「自分の人生を故郷のためにささげたい」との決意を強めたという。
翌2012年の市議会議員選挙に立候補し、トップ当選を果たしてから約10年間の議員生活を送り、その後市長に当選して1期4年を務めてきた。現職として、ゴミの減量化などの実績を掲げる一方で、「今は土壌を耕している最中で、やり残したことは多い。2期目が本当の勝負だ」と強調している。
具体的な政策としては、人工知能(AI)を活用したオンデマンド交通の導入など、交通弱者対策に積極的に取り組む姿勢を示している。座右の銘は、秘書時代に訪れた寺で巡り合ったという「理不尽に屈せず大志に生きる」。尊敬する人物として、アフガニスタンなどで人道支援に尽力した医師・中村哲さん(2019年死去)の名を挙げている。
新人・松本英樹候補:37年の行政経験と現場主義を掲げる
松本英樹候補は、関西の大学を卒業後、故郷の行橋市に戻って市役所に入庁。税の徴収、議会対応、防災など多岐にわたる業務に携わり、副市長まで37年間勤め上げた行政のエキスパートである。
前回の市長選挙では144票の僅差で敗れた経験を持つ。現市政について「市民の意見が市政に反映されていないとの声が多い」と批判し、「今のやり方を変えないと行橋の未来が見えない」との思いから再挑戦を決断した。
掲げるのは現場主義。行政職員として市民の賛否が分かれる事案に対応する際には、丁寧に声を聞き、粘り強く説明を尽くすことを心がけてきたという。「当選したら、職員にも現場主義をお願いする」と語っている。
座右の銘は「学びて厭わず」。尊敬する人物は両親とし、趣味としてウォーキングや登山を好む。また、妻が持っていたことから弾き始めたバイオリンも、今では立派な趣味の一つとなっている。
市政の行方を巡る熱い戦い
行橋市長選挙は、市政の継続を訴える現職と、行政刷新を掲げる新人による明確な選択を市民に迫る選挙戦となっている。工藤候補はAIを活用した新たな政策で市政の発展を目指し、松本候補は長年の行政経験を生かした現場重視の市政運営を約束する。
両候補とも故郷・行橋市への深い愛情と使命感を持ちながら、それぞれの方法で市政の改善に取り組む姿勢を示している。2月22日の投開票日まで、有権者は両者の政策や人物像を慎重に見極めることになるだろう。



