山口県知事選で現職の村岡氏が4選を達成、保守分裂の様相で投票率が30年ぶりに50%を超える
8日に投開票が行われた山口県知事選挙は、自民党県連などの支援を受けた現職の村岡嗣政氏(53)が、県議会自民党会派に所属していた前県議の有近真知子氏(43)ら新人2人の得票をほぼ全ての自治体で上回り、4選を果たしました。この選挙は保守分裂の様相を帯び、投票率が30年ぶりに50%を超えるなど、県民の関心が高まった選挙戦となりました。
村岡氏の圧勝と組織戦の強さ
投開票から一夜明けた9日午前、村岡氏は大勢の職員に拍手で出迎えられながら県庁に登庁しました。17日間の選挙戦を終え、久しぶりに知事室のいすに座ると、「知事の重責を改めて感じる。皆様からいただいた期待に応えられるよう、全力で頑張りたい」と力を込めて語りました。
村岡氏は初当選した2014年の知事選から、自民党県連を中心とした組織戦を展開してきました。過去3回の知事選は、いずれも野党系の候補との戦いを制してきましたが、今回はこれまでとは構図が変わった選挙戦となりました。
県政与党の自民党会派に所属していた有近氏が昨年9月に先に出馬を表明し、「保守分裂」の様相を帯びた争いとなったのです。村岡氏は、自民、公明両党の県組織や連合山口から支援を受け、今回は国民民主党の推薦も得て組織を固めました。
衆院選と投開票日が重なったことから、自民党の応援弁士は、知事選の演説などで国と県、市町が同じ方向を向いて政策を推進する必要性を強調し、「高市旋風」の呼び込みを図りました。
有近氏の草の根活動と敗戦の弁
一方、有近氏は立候補を表明した直後に自民党会派を離脱し、村岡氏とは対照的に、組織に頼らない「草の根」の活動に取り組みました。県内各地でミニ集会を開くなどしたほか、積極的にSNSを活用し、課題となった知名度アップに奔走しました。
さらに昨年12月の県議会では、「県議会が強くなり、職員は一部の自民党(県議)の意向を絶えず気にしている」と、村岡県政を批判。県政の刷新を求める主張は一部の自民党員にも広がり、岩国商工会議所名誉会頭の柏原伸二氏や柳井市の井原健太郎市長が支援を買って出ました。
知事選には市民団体事務局員の大久保雅子氏(61)も立候補し、3人は県政の継続か刷新かで舌戦を繰り広げました。
開票結果と出口調査の分析
迎えた8日の開票結果は、村岡氏が41万4839票を得て、有近氏の15万6398票を大きくリードしました。村岡氏の得票率は約7割を占め、19市町のうち有近氏が上回ったのは地元の柳井市のみでした。
読売新聞社がNHK、日本テレビ系列各局と投開票日の8日に実施した知事選の出口調査では、自民党支持層の約8割が村岡氏を選び、有近氏は2割弱にとどまりました。村岡氏は無党派層の6割半ばからも支持を集めたほか、いずれの年代からも6割強~7割強の支持を得ており、現県政への批判は大きなうねりとはなりませんでした。
選挙後の反響と今後の展望
有近氏は9日朝、柳井市内で街頭に立ち、通勤・通学者から「次も出てください」などと声を掛けられたといいます。大差はついたものの、15万人以上が投票してくれたことに「重みや熱量を感じた」と振り返り、「力は出し切った。何か県民が考えるきっかけとなり、山口が良くなるなら、出た意義がある」と語りました。
一方、村岡氏は9日の記者会見で、選挙戦で掲げた「成長と安心の好循環」の訴えに、「ご理解、ご支持を得られたのかなと考えている」と分析しました。有近氏に投票した人については「今やろうとしていることを、より成果が上がる形で頑張ることが、別の候補に入れられた方々の思いに応えることになる」と述べ、決意を新たにしました。
この選挙は、保守分裂の様相を帯びながらも、現職の村岡氏が圧倒的な支持を得て4選を果たし、投票率が30年ぶりに50%を超えるなど、山口県政の行方に大きな注目が集まった一戦となりました。



