大阪都構想の法定協設置案、市議会委で可決 副首都指定へ付帯決議も
大阪都構想の法定協設置案、市議会委で可決 副首都指定へ付帯決議

大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)が推進する大阪都構想の3回目の住民投票に向けて、具体案を作成するための大阪府市による「法定協議会」設置議案が22日、大阪市議会の財政総務委員会において、維新などの賛成多数で可決されました。この議案には、都構想が実現するまでの間、副首都の指定申請が可能となった場合には、その手続きも並行して進めるよう求める付帯決議が付されています。

委員会での審議の経過

市議会(定数81)では、維新が42議席で過半数を占めており、議案は27日の本会議でも可決される見通しです。委員会には横山英幸市長(維新副代表)も出席し、5月15日に市側が法定協設置議案を提案して以来、初めて市長と議会側が設置の是非について議論を交わしました。

早期の法定協設置にこれまで慎重だった維新市議団は、来春の知事・市長選と同日の住民投票を目指すことを20日に決定しており、この日は賛成の立場から質疑に臨みました。維新の高山美佳委員は「限られた時間でどれだけ密度の高い協議をし、市民に判断材料を示せるかが重要だ」と強調しました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

反対派からの批判

一方、設置に反対する他会派からは、議論にかける時間が短いとの批判が相次ぎました。公明の山田正和委員は「短期間で過去2回の案を上回る制度設計ができるのか、十分に市民に判断材料を示すことができるのか」と疑問を呈し、自民市民の前田和彦委員も「非常にタイトなスケジュール、本当にそれでいいのか」と述べました。

横山市長はこれに対し、「過去2回議論してきたので、どういうことを議論しないといけないか蓄積されたものがある。しっかり議論して分かりやすく市民にお伝えしていく」と述べ、来春の住民投票実施を目指す考えを改めて示しました。

採決の結果

委員長を除いた採決では、会派別に維新(6人)と元維新の計7人が賛成。公明(2人)、自民議員らでつくる自民市民(2人)、自民や国民などの議員でつくる自国くらし、共産の計6人が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

主な委員の発言

  • 維新・高山美佳委員:「最後は市民の皆さんが決める。その判断の材料となる設計図は法定協議会の場でしっかりと作成していきたい」「来春の住民投票では日程が厳しいとの考えがあるが、大きなプロジェクトを進めていくのであればゴールを決めるのは当然だ。期限なく議論を開始していくのは責任ある進め方には見えない」
  • 公明・西徳人委員:「住民投票と統一地方選の同日実施のスケジュールを結論ありきで進めていくのはいかがなものか」「最も大切にすべきは(住民投票否決の結果が)2度示されていることだ」
  • 公明・山田正和委員:「今回の議論は単に速やかに進めればいいというものではない。速やかに進めて市民が納得できるだけの判断材料を示すことができるのか。2度否決された制度について3度目の判断を求めるのであれば何が違うのか、何か改善されたのか、今の社会情勢をどれだけ反映したものなのかを正面から市民に示さなければ誠実ではない」
  • 自民市民・石川博紀委員:「3度目の住民投票に向けた法定協議会を設置したいのであれば、具体に実現したい自治体像を示して議案を提出するべきではないか」「大阪市議補選(西区選挙区)では、都構想の設計図づくりを掲げた維新候補の得票に対して、そうではない自民候補、無所属候補、無効票の得票合計が上回った。少なくとも西区の(都構想反対の)民意は示されたのではないか。市の発展を願う立場として、市廃止が前提の法定協には参加すべきではないと思う」
  • 自民市民・前田和彦委員:「法定協議会の開催は前回と比較すると4分の1程度になろうかと思う。財政シミュレーションや市民サービスへの影響、区割りの件など盛りだくさんだ」
  • 自国くらし・藤原洋一委員:「副首都機能を実現するためには、府市連携協約や、特別市も選択肢にある。いろんな選択肢を検討しないのか」「副首都について、周辺衛星市との役割分担の議論が弱い。大阪都市圏全体をどのように設計しようとしているのか」
  • 共産・井上浩委員:「過去、住民投票という形で非常に重い決断を市民に迫った。(知事・市長の)出直し選挙でこれまでの2回の住民投票の結果が帳消しになるわけではない。市長が選挙で勝たれようが再選されようが、この事実は消えない。出直し選挙で勝利をしたという説明は筋が違う。それを大義とするのはいかがなものか」

横山英幸市長の答弁

横山市長は、維新・高山委員に対する答弁で「出直し選で得た83万票を非常に重く受け止めている。多くの方が私が掲げた設計図作りについて進めてほしいと私に投票してくれた。与えられた任期の中で掲げた政策を実現していくことは政治家の責務だ」と述べました。

公明・山田委員に対しては「副首都・大阪の理解を深めていただけるよう、わかりやすい情報発信に努める。スピード感を持って統一地方選と同日の住民投票に向け最大限取り組んでいく」と応じました。

自民市民・前田委員に対しては「(前回までの住民投票は)政治的な流れやコロナ禍などがあり、過去2回と現在を単純に比べられないと思っている。府庁や市役所でもこれまで議論をしてきた。協議項目などどういったことを議論しないといけないかという素地はあると思っている」と述べました。

今後の見通し

法定協設置議案は府議会でも6月に可決される見込みで、6月中にも法定協が立ち上がり、具体的な議論が始まる可能性があります。