松山市でプレミアム商品券の利用開始、物価高対策に市民が期待と不安
松山市が導入した3000円で9000円分の買い物ができるプレミアム商品券の利用が3月23日に始まりました。販売(引き換え)場所となったスーパーでは朝から長い列ができ、物価高による家計の厳しさを改めて実感させる光景となりました。市民の間では、この支援策を歓迎する声がある一方で、根本的な物価問題の解決には至らないとの指摘も根強くあります。
国の交付金を財源に、消費喚起と事業者支援を目的
このプレミアム商品券の財源は、国の重点支援地方交付金です。国は昨年末、全国のスーパーで販売されたコメ5キロの平均価格が4300円台で高止まりしたことを受けて、同交付金を拡充し、「おこめ券」の配布を推奨しました。しかし、松山市は「個々のニーズに合い、様々な店舗で利用できる」として、商品券を選択しました。
事業総額は33億8650万円で、そのうち印刷、郵送、広告宣伝費などが3億8650万円かかっています。煩雑な手続きを業者に委託しているため、経費率は1割を超えています。市にとっては、消費を喚起し、地域の事業者支援につなげたいという意図があり、景気対策の意味合いも強いです。
市民の反応は期待と不満が交錯
野志克仁市長は、全市民が9000円を使うことを前提に、「約45億円の消費効果が見込める」と強調しています。参加店舗もこの取り組みを歓迎しており、大型スーパーの60代店長は「新生活や新入学で食料品以外にも需要が高まる時期。商品券には期限があるので一時的な消費アップが見込める」と期待を寄せています。
しかし、商品券の購入者からは物価上昇への不満が多く聞かれました。80代の男性は「全て食費に使うが、割引品を買っても2000円以上かかる」と述べ、60代の女性は「電気・ガス代、ガソリンも値上がりしている」と家計の圧迫を訴えました。30代の女性は「給料は上がっているが、物価高に追いつかない。対策は1回限りではなく継続してほしい」と要望しています。
物価上昇が続く中、根本的な対策が課題に
1月の松山市の消費者物価指数は前年同月比で1.9%上昇し、48か月連続で上昇となっています。名目賃金(現金給与総額)から物価上昇分を差し引いた2025年実質賃金はマイナスで、イラン情勢による物価への悪影響も読み切れない状況です。
商品券は目の前の物価高をしのぐ支援策になっていることは間違いありませんが、60代の男性が「使ったら終わり。これからも物価は下がらない」と語るように、一時的な対策に留まることへの懸念が根強くあります。国も自治体も、より持続可能な対策を模索する必要がありそうです。



