福岡県赤村の土地買収で補償額不適切引き上げ、用地交渉担当者2人を戒告処分
福岡県は、道路整備事業に伴う赤村の土地買収において、補償額を不適切に引き上げた問題で、用地交渉を担当した当時の田川県土整備事務所の男性所長(57歳)と男性課長(55歳)の2人を戒告の懲戒処分とした。この処分は3月23日に発表され、県の内部統制の不備が浮き彫りになった。
補償額が当初の5倍に増額、本庁への報告なし
問題は昨年8月に発覚し、主要地方道行橋添田線の改良事業に必要な赤村の山林など計約2505平方メートルの土地買収を巡るものだ。当初、地権者の男性に対して約431万円の補償額が提示されたが、男性が「造成地もある」などと主張したため、交渉過程で2度にわたって増額が行われ、最終的に約2166万円まで引き上げられた。これは当初額の約5倍に相当する大幅な増額である。
所長と課長は、この交渉に当初から携わり、増額について福岡県の本庁に報告していなかった。県は処分理由として、「現地を正確に把握せず、近隣の取引単価と十分に比較しないまま協議を行った」と説明している。2人は「工事開始に向けて早期に交渉を妥結したかった」と話しており、事業の迅速化を優先したことが背景にあるとみられる。
副所長2人も訓告処分、土地価格の再算定を実施
さらに、県は交渉に関わった当時の副所長2人も訓告処分とした。これにより、合計4人の職員が処分対象となり、組織全体の管理体制の見直しが迫られている。県は現在、該当する土地の価格を再算定しており、地権者の男性との交渉を継続中だという。
この問題は、公共事業における用地買収の透明性と公平性に疑問を投げかける事例となった。福岡県は、今後の同様の事業において、適正な手続きと報告体制の徹底を図る必要があるとしている。



