津市が地籍調査で国土交通省大賞 南海トラフ地震に備え沿岸部を重点整備
津市が地籍調査で国交省大賞 南海トラフ地震に備え沿岸部重点

津市が地籍調査で国土交通省の最高賞を受賞 南海トラフ地震対策で先進的な取り組みを評価

土地の所有者を調査し境界を測量する「地籍調査」の効果的な取り組みを表彰する国土交通省の「ミチセキアワード2025」において、三重県津市がトップの大賞に輝いた。同アワードは2025年度に創設され、今回が初めての表彰となる。津市は全国から応募のあった16団体の中から選ばれ、その先進的な取り組みが高く評価された。

南海トラフ地震への備えとして沿岸部を重点整備区域に設定

津市は南海トラフ巨大地震による津波被害が懸念されることから、2014年に沿岸部を地籍調査の重点整備区域に設定した。この地域一体となった調査推進体制が今回の受賞理由の一つとなっている。

地籍調査が未実施の場合、災害発生後の対応は土地境界の確認作業から始まることになり、ライフラインの復旧や住宅再建に遅れが生じる可能性がある。この重要性は2011年の東日本大震災の教訓として広く共有されており、津市の前葉泰幸市長は被災地を視察した経験から、積極的な取り組みを決断したという。

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専門部署の設置と人員増強で調査体制を強化

津市は2017年に専門部署として用地・地籍調査推進室を設置し、2年後には課に格上げするなど組織体制を整備。担当者を3人から10人に増員し、調査能力を大幅に向上させた。

特に注目されるのは、調査時に立ち会う土地所有者が女性や高齢者である場合を考慮し、女性職員を積極的に登用している点だ。これにより、所有者が安心感を持って調査に臨める環境づくりに配慮している。

最新技術を積極導入 ドローンや航空機で効率的な測量を実現

津市はドローンやヘリコプター、小型飛行機を活用した空中からの測量を積極的に導入。新たな技術を駆使することで、効率的かつ精度の高い調査を実現している点も高く評価された。

当初、調査が未実施だった重点区域の進捗率は、2025年度には約43%に達する見込みで、順調に調査が進展しているという。市の担当者は「2032年度までに重点区域の進捗率を100%にしたい」と意欲を示している。

県の支援と地域の協力が受賞の背景に

三重県は地籍調査事業費の4分の1を補助するなど、積極的な支援を行っている。受賞報告のために県庁を訪れた前葉市長は「特に香良洲地区の住民が立ち会いなどに協力してくれた。調査をますます進めていきたい」と感謝の意を述べた。

一見勝之知事は「大賞は県にとっても誇り。県内の市町にも伝えてもらいたい」と述べ、津市の取り組みが県全体のモデルケースとなることを期待した。

地籍調査の重要性は災害対策においてますます高まっており、津市の先進的な取り組みは全国の自治体にとって貴重な事例となるだろう。

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