大阪市を廃止し、東京23区のような特別区に再編する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が、来春の統一地方選と同日に投開票される見通しが強まっている。同日実施となった場合、大阪市内では五つの投開票が同時に行われ、政党の候補擁立状況によっては都構想に関する政治活動に一部制限がかかる可能性がある。この制約が都構想の論争に影響を与えることも懸念されている。
統一選と住民投票の同時実施の背景
統一地方選では、大阪府知事選や大阪市長選に加え、府議選、市議選が同日に実施される見込みだ。さらに、吉村洋文知事(日本維新の会代表)は、これらの選挙と合わせて住民投票を実施する意向を示している。
公職選挙法による政治活動の制限
公職選挙法では、知事選や市長選の選挙期間中、候補者を擁立していない政党や政治団体は、選挙区域内での政治活動が制限される。具体的には、街頭演説やポスター掲示、ビラ配布、街宣車や拡声器を用いた呼びかけなどが禁止される。
総務省によると、この規定は選挙期間中に選挙運動と紛らわしい政治活動を制限するためのものだ。ただし、はがきの送付や電話、インターネットを通じた政治活動は対象外で、個人の政治活動も制限されない。
選挙期間の違いと制限期間
告示日から投開票日前日までの期間は、知事選が17日間、政令指定都市の市長選が14日間、府議選・市議選が9日間と異なる。都構想の住民投票は20日間とされている。
このため、住民投票の対象が大阪市民のみの場合、例えば府議選のみに候補者を擁立した政党は、住民投票期間中でも、知事選告示から府議選告示までの8日間、活動が一部制限される。一方、知事選に候補者を擁立した政党は制限の影響を受けない。
対象拡大の可能性と影響
都構想は過去2回の住民投票で僅差で否決された。吉村氏は「副首都」構想の関連法案の骨子を基に、今回の住民投票の対象を府民全体に拡大する可能性にも言及している。対象が拡大された場合、各地域での候補擁立状況によって、政治活動の制限がさらに複雑になる可能性がある。
都構想に反対する公明党府議団の藤村昌隆幹事長は、同日実施について「活動が制限される中での住民投票は問題が多い。公正性を軽んじている」と批判している。



