東京都葛飾区亀有3丁目にある恵明寺(えみょうじ)で、区の有形文化財に指定されている「木造聖観音菩薩立像」の修復作業が完了した。同像は高さ53センチ、背後にある光背(こうはい)は66センチで、その特徴から平安時代後期(約900年前)の作と推定されている。寺では、今年秋の一般公開を計画している。
修復の経緯と成果
葛飾区からの補助を受けて開始された修復作業は約1年にわたって実施された。長年の間に上塗りされた塗料や汚れを丁寧に除去し、当初の姿に近づけることに成功した。また、CTスキャンなどの最新技術を用いて像の内部構造を詳細に調査した。
材質と技法の解明
調査の結果、像はツゲ材で作られていることが明らかになった。さらに、上塗りによって隠れていた天衣(てんね)の細かなひだや模様が浮かび上がり、制作当初の精巧な技法が確認された。一方、像の両手は後世の補修で付け替えられたものであることも判明した。
寺の歴史と公開計画
恵明寺には、同じく平安時代後期の作で、当時の鮮やかな彩色が残る重要文化財「木造不動明王立像」も安置されている。住職の西川俊英さん(49)は「今年は寺の創建750年にあたる記念すべき年です。通常は参拝客を迎えることが難しいのですが、10月下旬に開催される東京都の文化財ウイークに合わせて、この観音像と不動明王像の二体を公開したいと考えています。拝観料は無料とし、より多くの方々にご覧いただけるようにしたい」と意気込みを語った。
修復を終えた木造聖観音菩薩立像は、区民や観光客の関心を集めそうだ。寺では今後、公開に向けた準備を進めるとしている。



