大阪府が過去最大の3兆9216億円予算案を発表、万博遺産活用で成長加速へ
大阪府は18日、2026年度一般会計当初予算案として過去最大規模となる3兆9216億円を発表しました。この予算案は、2025年大阪・関西万博の遺産(レガシー)を活用した成長産業の創出や都市魅力の向上に重点を置きつつ、物価高対策を通じて府民生活や事業者の活動を下支えする内容となっています。予算案は24日に開会する府議会に提出される予定です。
吉村知事が「副首都実現加速予算」と命名、万博レガシーを成長の起爆剤に
吉村洋文知事は18日の記者会見で、今回の予算案を「副首都実現加速予算」と命名し、「万博を機にビジネスや文化、外交分野で多くの世界との交流が生まれた。このレガシーを生かし、さらなる飛躍につなげたい」と述べました。産業分野では、万博で披露された新技術の商用化に向けた海外企業とのビジネス交流促進に1億1500万円、「人間洗濯機」など介護現場での新技術導入支援に19億4100万円を計上しています。
観光公害対策や物価高対策にも重点、中小企業支援を強化
訪日客の受け入れに伴うオーバーツーリズム(観光公害)対策として、ゴミ処理や清掃を担う市町村への支援に計10億円を充てました。物価高対策には103億9100万円を計上し、中小企業に対して賃上げの原資確保に向けた補助金の支給や、販路開拓のための商談会出展支援を実施します。
少子化対策に前年度比1.5倍の51億円投入、教育環境の整備も推進
少子化対策には前年度の1.5倍となる51億600万円を投入し、無痛分娩を実施する医療機関が行う急変対応のための研修経費補助(420万円)も盛り込みました。教育関係では、不登校対策として政令市以外の全小中学校でのスクールカウンセラー配置費用に10億6900万円を計上し、小学校への配置を1校あたり年12回から35回に増やします。府立高校の広報強化には4億4600万円、日本語指導が必要な生徒への母語通訳派遣や環境整備に1億3000万円を確保しました。
予算規模拡大の背景と財政状況、収支不足は基金取り崩しで対応
予算規模が過去最大となったのは、歳出で人件費や社会保障費のほか、中小企業に事業資金を貸し付けるために必要な預託金が増加したためです。歳入では、府税収入が前年度比4.4%増の1兆7001億円が見込まれ、2年連続で過去最大を更新しました。府債発行額は前年度比21.1%増の1333億円で、純粋な借金にあたる府債残高は2兆3868億円となり、2007年度以降で最少となりました。収支不足は495億円で、財政調整基金の取り崩しで穴埋めする方針です。
その他の事業:私立高校授業料無償化や府警の大会対応予算も計上
新年度から全学年で所得制限がなくなる私立高校の授業料無償化には、国の補助も合わせて635億2900万円を計上しました。橋下徹知事時代の2008年度に始まった私立小中学校への運営補助金カットを廃止し、1人あたりの補助単価は小学校が33万1750円(前年度比6万7315円増)となります。府警は、今年11月に岸和田、泉佐野両市で開催される全国豊かな海づくり大会への対応として1億2400万円を計上し、要人警護や雑踏対策に必要な資機材、活動拠点の整備に充てます。また、「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」対策では、暗号資産に転換された犯罪収益の口座間移動を追跡する専用ツール導入に2000万円を計上しました。



