トランプ前大統領、パリ協定再離脱を国連に正式通告
ドナルド・トランプ前米大統領は21日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの再離脱を国連に正式に通告した。これにより、米国は2026年までに同協定から離脱する見通しとなった。トランプ氏は声明で「パリ協定は米国経済に不公平な負担を強いるものであり、米国の雇用と成長を守るために離脱は不可避だ」と主張した。
国際社会からは批判の声
パリ協定は2015年に採択され、世界の平均気温上昇を産業革命前比で2度未満に抑える目標を掲げている。米国は世界第2位の温室効果ガス排出国であり、その離脱は国際的な気候変動対策に大きな打撃となると懸念されている。欧州連合(EU)の気候変動担当委員は「極めて遺憾であり、米国には協定に留まるよう強く求める」と述べた。一方、中国やインドは自国の排出削減目標を堅持する姿勢を示している。
米国内でも賛否両論
米国内では、トランプ氏の決定を支持する声がある一方で、環境団体や一部の州知事からは強い反発が上がっている。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は「気候変動は現実であり、連邦政府の無責任な行動は許されない。我々は独自に気候目標を達成する」と声明を発表した。また、複数の環境NGOはトランプ政権を提訴する構えを見せている。
今後の影響と見通し
専門家は、米国の離脱が世界の排出削減努力を弱体化させる可能性を指摘する。国際エネルギー機関(IEA)の試算では、米国が削減目標を放棄した場合、世界の排出量は2030年までに現状より約5%増加すると予測される。一方で、EUや日本など他の主要排出国は、パリ協定の枠組みを維持し、排出削減を継続する方針を示している。
トランプ氏の決定は、11月の中間選挙や2024年の大統領選挙にも影響を与える可能性がある。気候変動対策を重視する有権者層の反発が強まれば、共和党内でも議論が起きることが予想される。



