ウズベキスタン日本人抑留者資料館創設者ジャリル・スルタノフ氏死去 81歳
日本人抑留者資料館創設者スルタノフ氏死去 81歳

ウズベキスタン日本人抑留者資料館創設者 ジャリル・スルタノフ氏が死去

【モスクワ共同】中央アジア・ウズベキスタンで日本人抑留者資料館を創設し、長年にわたり日ウズベク友好の架け橋として活動してきたジャリル・スルタノフ氏が8日、肝硬変のためタシケントの自宅で死去した。81歳だった。親族が共同通信に明らかにした。

第二次大戦後の日本人抑留者歴史を調査・保存

スルタノフ氏は1944年、ウズベキスタンの首都タシケントで生まれた。第二次世界大戦後に旧ソ連によってウズベキスタンに抑留された約2万5千人の日本人の歴史を詳細に調査し、その記録保存に生涯を捧げた。

1998年にはタシケントの自宅の一部を私費で改装し、「日本人抑留者資料館」を開設。貴重な資料や写真、証言を収集・展示し、抑留の実態を後世に伝える重要な役割を果たしてきた。同資料館は現在、孫娘が館長を引き継ぎ、運営が続けられている。

安倍晋三元首相の訪問案内や叙勲受章

スルタノフ氏の活動は日ウズベク両国で高く評価された。2015年、当時の安倍晋三首相がタシケント郊外の日本人墓地を訪問した際には、案内役を務め、歴史的背景を丁寧に説明した。

さらに2016年秋の叙勲では、日ウズベク友好促進への貢献が認められ、旭日双光章を受章。民間レベルでの国際交流の重要性を体現する存在として、多くの関係者から敬意を集めていた。

私費で運営し続けた資料館の意義

スルタノフ氏が私費で設立・運営してきた資料館は、単なる展示施設ではなく、戦争の悲劇と和解の象徴としての役割を担ってきた。抑留者やその家族からの寄贈品、当時の生活を伝える品々は、歴史の証言者として貴重な価値を持つ。

同氏の死去は、日ウズベク関係の歴史的記憶を守る重要な担い手を失ったことを意味するが、孫娘による資料館の継続運営により、その遺志は今後も受け継がれていく見込みだ。

スルタノフ氏の功績は、国際的な歴史研究や平和構築においても重要なモデルケースとして、今後さらに注目を集めることが予想される。