エボラ熱が「類を見ない速度」で拡大、コンゴ東部で警鐘
国際医療団体「国境なき医師団(MSF)」は30日の声明で、コンゴ民主共和国(旧ザイール)東部で猛威を振るうエボラ出血熱について、「短期間でこれほど多くの症例が報告されたことはない」と指摘し、過去に例を見ない速度で感染が拡大していると警鐘を鳴らした。
声明によると、検査能力の不足により数百件の検体が未検査のままであり、「現状の支援は必要な水準に遠く及ばない」と訴えた。世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言してから31日で2週間が経過するが、MSFは支援の遅れを深刻に懸念している。
資金援助表明も支援物資の到着遅れ
米国や欧州連合(EU)はエボラ熱対策のための資金援助を表明しているが、MSFはコンゴの隣国ウガンダなどが国境を閉鎖した影響で支援物資の到着が遅れていると指摘。治療態勢の迅速な拡充を求めた。
WHOのテドロス・アダノム事務局長は30日、多くの感染者が確認されているコンゴ東部イトゥリ州を訪問し、「遺体への接触はウイルスを拡散させる恐れがある」と警告した。現地では感染拡大を防ぐため、遺体の安全な埋葬や感染症対策の徹底が求められている。
検査能力不足が深刻な課題
MSFは、検査能力の不足が感染拡大の一因となっていると分析。未検査の検体が数百件に上ることで、実際の感染者数が報告数を上回っている可能性があると指摘する。また、医療従事者の不足や医療施設の脆弱性も課題となっており、国際社会のさらなる支援が必要とされている。
コンゴ東部では2018年以降、断続的にエボラ熱の流行が発生しており、今回の拡大は過去最悪のペースで進行している。現地ではワクチン接種や治療薬の投与が進められているが、治安の悪化や住民の不信感が対策の妨げとなっている。



