日本政府が南米の関税同盟である南部共同市場(メルコスル)との間で、経済連携協定(EPA)の交渉を開始することが26日、明らかになった。加盟国のブラジルは6月にフランスで開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)に招待される見通しであり、ブラジルとの首脳会談で交渉開始を表明する方向で調整が進められている。トランプ米政権が米国第一主義を掲げる中、日本はメルコスルと連携して自由貿易の枠組み拡大を目指す。
背景と狙い
関係者によると、南米からはリチウムなどのレアメタル(希少金属)や原油の供給が期待できる。一方、ブラジルは牛肉や鶏肉を輸出する農畜産大国であり、これまで日本の農業団体や畜産業者からはEPA交渉入りに対して慎重な声が上がっていた。日本政府はこうした懸念を踏まえつつ、戦略的パートナーシップの強化を図る。
これまでの経緯
日本政府とメルコスルは2025年12月、貿易や投資、サプライチェーン強化などで協力を目指す「日・メルコスル戦略的パートナーシップ枠組み」を立ち上げ、関係を強化してきた。今回のEPA交渉は、この枠組みをさらに発展させるものと位置づけられる。
期待される効果と課題
EPAの締結により、日本企業の南米市場へのアクセスが改善され、資源の安定調達が期待される。しかし、農産物市場の開放には国内産業との調整が必要であり、政府は農業関係者の理解を得るための説明を進める方針だ。また、トランプ政権の保護主義的な動きに対抗するため、自由貿易圏の拡大は日本の外交戦略上も重要な意味を持つ。



