防災無線に電波障害、太陽光発電システムが原因で全国で相次ぐ事例
防災無線障害、太陽光発電システムの電波が原因で全国で相次ぐ

防災行政無線に深刻な電波障害、太陽光発電システムが原因で全国で相次ぐ

災害時の避難指示や全国瞬時警報システム(Jアラート)などを音声で伝える防災行政無線において、一部の住宅用太陽光発電システムから発生する電波が通信を妨害する事例が、全国各地で相次いで確認されている。緊急時の情報伝達に重大な支障をきたす可能性があり、国はシステムの選定方法や設置方法に対する注意を喚起するとともに、業界団体などと協力して国内統一規格の策定を急いでいる。

岐阜県大垣市で確認された具体的な障害事例

「チャイムが正常に鳴っていない」という住民からの通報をきっかけに、岐阜県大垣市では2024年から2025年にかけて計4件の電波障害を確認した。同市では市役所に設置された親局から市内176カ所の子局へ電波を送信し、屋外スピーカーを通じて周辺住民に情報を伝達している。

原因は太陽光発電システムに組み込まれたパワーコンディショナー(パワコン)であることが判明した。この装置は直流電気を家庭で使用可能な交流に変換する役割を担っているが、一部の機種から発せられる電波が防災無線の周波数帯と干渉を起こしていた。

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影響が生じるのは日中の発電時に限定され、子局から半径約100メートル圏内で、親局との直線上にパワコンが位置する場合に特に顕著となる。障害が発生すると、音声が完全に途切れたり、不明瞭になったりする深刻な状況が報告されている。

迅速な対策と国の対応

大垣市では確認された4件の障害について、速やかに設置世帯および設置業者に連絡し、業者側の負担による対策工事を実施することで問題を解決した。市の担当者は「命の危険が伴う緊急時に使用する重要なシステムである。放送が住民に届かない事態は極めて憂慮すべき状況だ」と厳しい認識を示している。

総務省の調査によれば、太陽光発電システムが原因、または原因と疑われる同様の電波障害は、漁業用無線やテレビ受信を含め、2019年度から2023年度までの間に約100件把握されている。幸いにも、これまでに人的・物的な被害は確認されていないという。

総務省担当者は「災害は予告なく発生するため、可能な限り早期の解決を図りたい」と述べ、パワコンの国内統一規格化を推進する方針を明らかにした。同省のホームページでは、電波障害の具体的事例や効果的な対策方法を紹介し、メーカーや業界団体、施工業者などに対して注意喚起を継続している。

防災行政無線の現状と重要性

防災行政無線は、市町村が防災情報を収集し、住民へ迅速に周知するために整備された重要な通信ネットワークである。総務省のまとめでは、役場・役所から屋外スピーカーや戸別受信機を介して放送を行う「同報系」の整備率は、2025年3月末時点で73.8%に達している。

多くの自治体では、行方不明者に関する情報発信や定時の時報チャイムなど、日常的な用途にも活用されており、地域社会の安全・安心を支える不可欠なインフラとしての役割を果たしている。今回の電波障害問題は、こうした公共通信システムの信頼性を揺るがす深刻な課題として、早急な対応が求められている。

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