政府は、社会保障国民会議で議論されている新たな制度「給付付き税額控除」について、支援額を4段階で変化させる方向で検討していることが明らかになった。年収の増加に伴い支援額も増やすことで、就労を強く促進するのが特徴だ。具体的な支援額は未定で、今後さらに議論を進める。
4段階の支援額案
政府は20日、これまでの国民会議の議論をまとめ、与野党の幹部で構成する実務者会議に資料を示した。対象は「個人単位」を原則とし、「中低所得の勤労世代」を支援する。一定の勤労性の年収があり、社会保険料を納めている人が対象となる見通しだ。
資料や政府関係者によると、支援額は年収の増加に伴い、定額、逓増(徐々に増額)、定額、逓減(徐々に減額)という4段階で変化させる案がある。まず、年収が非課税ラインを下回る層には定額の支援を提供。その後、年収が増えるにつれて支援額を逓増させ、一定の範囲で最大額に達する。さらに年収が増加すると、再び定額の支援が続き、最終的には逓減して支援が終了する仕組みだ。
就労促進の狙い
この制度の最大の特徴は、働くほど支援が手厚くなる点にある。従来の給付制度では、年収が増えると給付が減少する「壁」が問題視されていたが、本制度では逓増部分を設けることで、低所得者が就労をためらう要因を取り除く狙いがある。政府関係者は「中低所得層の労働参加を促し、貧困の連鎖を断ち切りたい」と説明する。
今後の課題
具体的な支援額や年収の区分は未定で、今後、与野党の実務者会議で詳細を詰める。財源については、消費税率の引き上げや他の社会保障費の見直しなどが議論される見通しだ。また、制度の対象となる社会保険料の納付要件についても、非正規労働者やフリーランスへの対応が課題となる。
給付付き税額控除は、政府が掲げる「新しい資本主義」の一環として位置づけられており、年内にも制度の骨格を固める方針だ。



