東京・銀座コリドー街にあるビルの2階にある小さなスナック。開店前の仕込みの手際は、子育て歴20年以上、手料理が得意なだけあって無駄がない。だが、彼女はスマートフォン越しに「もう一つの世界」と向き合っている。
ハンドルネーム・ナスダッ子さん(65)は現在、マーケットで5億円を動かしている。専業主婦から投資家に「転身」するきっかけは9年前、大手新聞社の記者だった夫の退職だった。
夫の突然の退職表明で焦り
「夫が急に『64歳で会社をやめる』と言い出したんです。年金がもらえるまでの間、どうやって暮らしていけばいいの?って、一気に焦りが押し寄せました」
30年間に2人の息子を育て、専業主婦として家庭を守ってきたので、手に職があるわけではない。預金に手を付けず、どこまで生活費を削れるだろうか。
義母の教えと投資への挑戦
その時、商売をやっていた夫の母の言葉を思い出した。「お金は置き場所を考えれば、お金にお金を生ませることができる」
義母のすすめで若い頃、高利回りの個人年金保険に加入したこともある。しかし、夫は現役時代に経済部の記者だったため、インサイダー取引防止のための社内規則により、家族を含めて株式の短期売買は禁止されていたので、投資経験はない。
しかし、「やってみたい」という思いが彼女を突き動かした。独学で投資を猛勉強し、夫の…



