新NISA口座開設ペース鈍化、政府目標に黄信号 ドコモ参入で「こどもNISA」に期待
新NISA口座開設ペース鈍化、ドコモ参入で「こどもNISA」に期待

新NISA口座開設ペースが鈍化、政府目標達成に黄信号点る

少額投資非課税制度である新NISAの口座開設ペースが明らかに鈍化している。2025年に主要証券10社で開設された口座数は215万件に留まり、「新NISA元年」とされた2024年の343万件から実に130万件近く減少した。この減少傾向は、政府が掲げる投資促進目標の達成を危うくする可能性があり、金融市場関係者の間で懸念が広がっている。

NTTドコモが新サービス開始、身近な相談窓口として期待

こうした状況の中、NTTドコモが画期的な取り組みを開始した。東京・赤坂の繁華街にあるドコモ店舗では、2026年1月29日から「NISAはドコモで」という看板が掲げられ、新たなサービスがスタートしている。このサービスでは、証券外務員の資格を持つ店舕スタッフが、スマートフォンを活用した新NISAの口座開設を顧客にサポートする。

利用者は、ドコモと資本業務提携を結ぶマネックス証券に口座を開設し、投資商品に関する詳細な問い合わせは同証券のコールセンターなどが対応する仕組みだ。現在は全国35店舗で試験的に導入されており、将来的には1,000店舗への拡大を計画している。携帯電話ショップという身近な場所で投資相談ができる環境を整えることで、より多くの層に投資の門戸を開く試みと言える。

なぜ携帯ショップで新NISAなのか?業界の戦略的転換

従来の証券会社とは異なる接点を持つドコモの参入背景には、投資未経験層へのアプローチ強化という明確な意図がある。スマートフォンを日常的に利用する顧客層に対して、慣れ親しんだ環境で金融サービスを提供することで、心理的ハードルを下げる効果が期待されている。この取り組みは、単なる口座開設支援にとどまらず、金融リテラシーの向上にも寄与する可能性を秘めている。

「こどもNISA」が切り札に、2027年開始に向け期待高まる

証券業界全体として、現在の開設ペース鈍化を打破する最大の切り札と見なされているのが「こどもNISA」である。政府与党の調整により、2027年からの創設が予定されており、年齢制限の撤廃やゼロ歳からの加入が可能となる見通しだ。この制度は、子どもの将来に向けた資産形成を促進するとともに、家族全体の投資意識を高める効果が期待されている。

金融関係者は、「こどもNISA」が新たな投資家層を開拓する起爆剤となり、結果的に新NISA全体の活性化につながると楽観視する声が多い。しかしながら、制度設計の詳細や税制面での優遇措置など、まだ詰めるべき課題も少なくない。

現在の口座開設数の減少は、初期の制度認知度向上期が一段落したことや、市場環境の変化など複合的な要因が影響していると考えられる。ドコモのような異業種参入と「こどもNISA」という新制度の相乗効果によって、日本における個人投資家の裾野をいかに広げられるかが今後の焦点となるだろう。政府目標の達成に向けて、業界全体が知恵を絞る局面が続きそうだ。