中東情勢悪化で原料調達不安、岡山水島コンビナートでエチレン減産開始
三菱ケミカルは3月12日、岡山県倉敷市の水島コンビナートにおいて、プラスチックなどの原料となる基礎化学品「エチレン」の生産量を減らし始めたことを明らかにしました。この生産設備は旭化成と共同で運営されており、中東情勢の悪化に伴い、原料が十分に調達できるかどうかの見通しが立ちにくくなったことが主な理由とされています。
国内で少なくとも4基目の減産、設備稼働率を低下
エチレンの生産設備は国内に合計12基存在しますが、今回の減産により、少なくとも4基目が操業規模を縮小することになりました。三菱ケミカルによれば、3月11日から設備の稼働率を落として操業を続けており、一度設備を停止すると再稼働に時間や費用がかかるため、事前に減産に踏み切ったと説明しています。
中東情勢の影響は他社にも波及しており、三菱ケミカルは岡山のほか茨城県でも減産を実施。さらに、三井化学は千葉県と大阪府の生産設備で減産を行い、出光興産も設備停止の可能性を取引先に伝えるなど、石油化学業界全体に緊張が走っています。
エチレン減産が製品価格に与える影響
エチレンは食品の包装パックや自動車のバンパーなど、多様な製品の原料として使用される基礎化学品です。そのため、減産が長期化すれば、幅広い製品の値上がりにつながる可能性が指摘されています。消費者にとっては、日用品や工業製品の価格上昇が家計を圧迫する懸念も生じています。
今回の減産決定は、中東地域における地政学的リスクが、日本の化学産業に直接的な影響を与えていることを浮き彫りにしました。原料の多くを中東産に依存している現状では、情勢の安定化が急務となっています。
業界関係者は今後の動向を注視しており、サプライチェーンの強化や調達先の多様化が課題として挙げられています。このような状況下で、企業は柔軟な対応が求められるでしょう。



