東レは、人の肌にはつかず、衣服や布などの繊維製品にだけ強く接着する新しいフィルムを開発した。この技術を活用することで、使い捨ての貼るカイロの構造を大きく変え、環境負荷を低減できる可能性がある。
新フィルムの仕組み
新たに開発されたフィルムは、片方の粘着層の上に10~20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)程度の微細な凸を設けている。この凸は粘着性を持たないため、人の指やプラスチックなどには凸のみが接触し、くっつかない。一方、衣類や布などの繊維製品では、繊維が凸のすき間に入り込むことで強固に貼りつく仕組みだ。
貼るカイロへの応用
このフィルムを貼るカイロに用いれば、従来必要だった剥離紙が不要になる。剥離紙はカイロの粘着部分を保護するための紙で、使用時にはがされ、その後はごみとして焼却処分されることが多い。東レの試算によると、剥離紙をなくすことで、カイロの重量を最大約60%、厚みを約38%削減できる。2024年度の日本カイロ工業会の販売実績統計に基づけば、年間約247トンの剥離紙ごみを削減できる計算だ。
このフィルムは冷却シートなど他の製品にも応用可能で、東レは今後、実用化に向けた検討を進める方針。



