航空宇宙産業の活況と県内企業の成長支援策
航空宇宙に関連した産業では、公共機関による宇宙探査などのプロジェクトに加え、商業衛星打ち上げや空を舞台にした新たな交通手段の開発など、民間主導の投資が活発化している。成長分野の旺盛な需要を取り込み、本県経済の活性化を図ることが重要だ。
航空産業の現状と課題
航空産業については、新型コロナウイルスの感染収束後、人の移動の再開に合わせる形で、世界的に大型旅客機、小型機を問わず機体を増産する動きが続いている。しかし、県の聞き取りなどによると、感染拡大期に航空機関連の部品製造から撤退してしまった企業もあり、発注に対し生産が追い付いていない状況にあるという。
県の補助制度と構造変化への対応
県は本年度、航空分野を中心とした試作品開発や技術の実用化、設備導入などに取り組む企業を対象に、最大で事業費の4分の3を補助する制度を新設した。近年の航空産業の構造変化を好機として、県内事業者の技術力や生産基盤の強化を促し、新規参入や受注拡大などの成果につなげることが期待される。
宇宙関連産業の進出と協業促進
宇宙関連産業を巡っては、国内で民間企業単独による宇宙空間到達に初めて成功したインターステラテクノロジズ社など、複数のスタートアップ企業が南相馬市に進出してきた。東日本大震災後に、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想に伴い、実証環境を整えてきたことなどが功を奏した。近い将来、ロケットなどの部品やメンテナンス作業を発注するであろう有望な企業が、県内に軸足を置いている利点は大きい。県には、浜通りに進出してきたスタートアップ企業と県内各地の製造業の協業や人的な交流を積極的に仲立ちし、本県を次世代の宇宙関連産業の製造、開発拠点としていくことが求められる。
認証取得の支援と国際競争力強化
航空宇宙産業への参入には高度な技術が必要で、その分野に特化した品質の国際規格である「JISQ9100」や「Nadcap(ナドキャップ)」などの認証を得ることが一般的になっている。県には、専門家による戸別訪問指導や取得にかかる経費の補助などを継続し、県内企業の認証取得の取り組みを後押しすることが望まれる。
これまでの成果と今後の展望
小惑星探査機「はやぶさ2」を巡り、電池やパラシュートなどの製造に県内の8つの団体、企業が深く関わるなど、これまでの関連分野の育成の成果が表れてきている。県は、国内外の航空宇宙関連の見本市などで本県企業の高い技術力や受注可能な分野を積極的にアピールし、新たな発注元の開拓に取り組むことも重要である。



