日米欧など28か国・地域は30日、鉄鋼製品の「迂回輸出」を巡り、生産地や輸入経路に関する情報を収集、共有する包括的な枠組みを設けることを決めた。過剰生産が問題視される中国産の鉄鋼を念頭に、第三国経由で反ダンピング関税をすり抜ける動きなどを監視し、貿易措置の実効性を高めたい考えだ。
GFSE C閣僚会議で合意
28か国・地域が加盟する「鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラム(GFSE C)」が同日に米ミルウォーキーで開いた閣僚会議で合意した。会議で採択した閣僚声明は過剰生産の増大に強い懸念を示し、「更なる集団的な介入がなければ、公平な競争ができない」と明記した。
情報収集と共有の枠組み
各国は今後、鉄鋼の溶解や鋳造が行われた場所を収集する制度の構築を検討し、迂回輸出が疑われる取引についての情報共有も進める。合意を踏まえ、日本政府も関係省庁と連携して対応を強化する考えだ。
中国産鉄鋼への対策強化
各国はこれまでも中国産鉄鋼への対策を講じてきた。ただ、第三国での加工などを通じて措置をすり抜け、廉価な鉄鋼が市場流入するケースが課題となっていた。
会議の議長を務めた米通商代表部(USTR)のグリア代表は30日の声明で、過剰生産が引き起こす世界市場の歪みを徹底的に解決するために、各国に対応を求めたと強調。「他の加盟国と協力して実効的な措置を講じ、公正な競争条件を回復していきたい」と述べた。