業務に必要な資格、勉強時間やテキスト代は会社or本人負担?社会保険労務士が解説
業務に必要な資格の勉強時間や費用、会社と本人の負担は?

業務に必要な資格について「終業後や休日に勉強しておいて」と伝えたところ、社員から「仕事に必要な資格なのだから、勉強も勤務時間内にすべきではないか」「受験料や教材費は会社が負担すべきではないか」といった声が上がったケースについて、社会保険労務士の佐藤敦規氏が解説する。

会社と本人、負担の分担をどう決めるか

業務に必要な資格だからといって、終業後や休日に勉強するよう求めること自体が、直ちに違法になるわけではない。そもそも「仕事で必要な資格なら、勉強時間や取得にかかる費用はすべて会社が負担する」と一律に決まっているわけでもない。実際には受験料や研修費、テキスト代などを会社が負担しているケースや、勤務時間中に資格取得のための研修を受けられる会社もある。

一方、休日に資格試験を受けに行った場合に、休日手当や試験会場への交通費を支給していない会社もある。つまり「仕事で使う資格なのだから、勉強時間も費用もすべて会社負担にすべき」「本人が取得する資格なのだから、すべて本人負担でよい」と、どちらか一方の視点だけで考える必要はないということだ。

曖昧なままにせず、支援の範囲を明確に

会社として資格取得を求めるのであれば、社員にどこまで求めるのか、その代わりに会社はどこまで支援するのかを決めておくことが大切だ。例えば、勉強そのものは本人に任せる一方で、受験料は会社が負担する。あるいは、研修は勤務時間中に受けられるようにする。そうした形で、資格の必要性や会社の事情に応じて支援の範囲を決められる。

「資格を取っておいて」と求めるだけで、勉強する時間や費用をどう扱うのかが曖昧なままだと、今回のように社員との認識にずれが生じやすくなる。社員に求めることと、会社が支援する範囲をセットで明確にしておくとよいだろう。