人と組織の力を引き出すUniposは2026年6月18日、「ねぎらい」に関する実態調査の結果を発表した。調査は2026年3月26日〜30日、従業員30名以上の企業・団体に勤務し、直属の部下または業務上日常的に関わる後輩・部下を持つ全国の30〜69歳男女800名を対象にWebアンケートで実施された。
管理職の73.3%が「ねぎらいは必要」と回答
上司から部下への「ねぎらい」が必要か尋ねたところ、「必要」と回答した人は73.3%に上った。ねぎらいに期待する効果としては、「部下との信頼関係が良くなる」(36.9%)、「チームの雰囲気が良くなる」(35.5%)、「部下のモチベーションや仕事への意欲が高まる」などが上位に挙がった。
一方、ねぎらいがないことで起こることとしては、「部下のモチベーションや仕事への意欲が低下する」「部下との信頼関係が築きにくくなる」「本音や意見を話しにくくなる」「チームの雰囲気が悪くなる」といった回答が多く見られた。
38.4%が「ねぎらいたいのにできなかった」経験
「部下をねぎらいたいと思ったにもかかわらず、実際には行わなかった経験がある」と回答した人は38.4%と約4割にのぼった。30代男性では41.8%となり、必要性を感じながらも実践できていない層が一定数存在することが分かった。
ねぎらいを実際に行わなかった理由としては、「タイミングが合わなかったため」(37.1%)が最多で、「忙しくて伝える余裕がなかったため」(20.3%)が続いた。また、「上から目線に見られそう」「大げさに受け取られそう」「何と言えばよいかわからない」といった回答も見られ、伝え方に悩む管理職の姿が浮かび上がった。
ハラスメント懸念や世代ギャップが「言えなさ」の背景に
時代の変化に伴い部下をねぎらうことが難しくなった理由を尋ねたところ、「ハラスメントと受け取られることへの懸念」(42.1%)が最も多かった。続いて、「部下との価値観や世代・コミュニケーションスタイルの違い」、「テキストやオンラインでは気持ちが伝わりにくい」、「リモートワークや雑談機会の減少により、日常的なコミュニケーションが減った」といった回答が並んだ。また、「どのように伝えればよいかわからない」「ねぎらいが形式的なものになりやすい」といった声も挙がった。
なお、「仕事なのだから『やって当たり前』という価値観について、昔はそう思っていたが今はそう思わない」と回答した人は32.6%だった。
39.6%が「評価・ねぎらい不足」で転職検討
「評価されていない/ねぎらわれていない」と感じたことを理由に転職を考えた経験がある人は39.6%に上った。特に30代男性では44.7%と全体平均を上回った。
また、十分なねぎらいを受けられないことで、「自分の努力や苦労が周囲に伝わりにくい」(24.5%)、「自分への興味や関心が足りないと感じる」(18.5%)といった声も見られた。
「ねぎらい」を仕組みで支える必要性
調査では、管理職側にはハラスメントや受け取られ方への不安がある一方で、部下側には「見てもらえていない」という実感があり、双方の認識にギャップが生じている可能性が示された。管理職の約4割が「部下の努力を見てはいるが、言葉にするのが難しい」と感じている実態が明らかになり、その背景にはハラスメント懸念や世代間ギャップ、リモートワークによる接点減少など、個人の努力だけでは解決しにくい要因が存在している。
今後は、ねぎらいを「個人任せ」にするのではなく、「組織の仕組み」として支えるマネジメントへの転換が求められている。働き方や価値観が大きく変化するなかで、部下の貢献を適切に認識し、言語化して伝える仕組みづくりが重要な課題と言える。



