KDDIが大規模会計不正の全容説明へ 子会社で2460億円の架空取引発覚
KDDIは2026年3月31日午後4時から記者会見を開催し、子会社で発覚した大規模な会計不正問題について詳細な説明を行う。外部弁護士らによる徹底調査の結果を公表し、再発防止策についても具体的な方針を示す見込みだ。特に、架空の広告取引をでっち上げて売上を水増しする不正行為が、なぜ長期間にわたって発見されずに放置されてきたのかが最大の焦点となる。
買収子会社で発覚した不正の実態
不正が明らかになったのは、KDDIが2017年1月に約800億円で買収したネット接続事業大手のビッグローブと、その子会社であるジー・プランである。当時、200万人を超えるネット接続会員をauブランドの経済圏に取り込むことが主な目的とされていた買収だったが、子会社化後に開始したネット広告事業において深刻な不正が発生していた。
具体的には、広告主も広告媒体も実在しない完全な架空取引によって、多額の売上が計上されていた。KDDIが2026年2月6日に公表した自主調査の結果によれば、ビッグローブに出向していたジー・プランの社員2名が中心に関与し、外部の広告会社を巻き込んで広告費を循環させる巧妙な仕組みを構築していた。
雪だるま式に膨らんだ不正取引額
広告費は各社が手数料を差し引く形で資金を還流させる構造となっており、取引額は雪だるま式に拡大。発覚直前の段階では、月に数百億円規模の資金が行き来していたとされる。両社のネット広告事業における累計取引額は2460億円に達し、その大部分が実態を伴わない架空取引だった疑いが強い。
さらに深刻なのは、架空取引の結果として計330億円が外部の広告会社への手数料として流出している点だ。KDDIは現在、各社からの資金回収を図っているが、回収の見通しは不透明な状況が続いている。
監査指摘と不正長期化の背景
会計監査人からは早い段階で「不自然な取引の可能性」が指摘されていたにもかかわらず、なぜ不正が長期間見過ごされてきたのか。その原因究明が会見における重要なテーマとなる。ネット広告事業の特殊性や、子会社管理体制の不備、内部統制の欠如など、複合的な要因が重なった可能性が指摘されている。
今回の会見では、松田浩路社長をはじめとする経営陣が直接説明に立ち、経営責任の所在についても明確な姿勢を示すことが求められている。通信大手としての社会的信頼を大きく損なった事態を受け、再発防止に向けた抜本的な改革案が提示されるかどうかが注目される。



