京都新聞HD元相談役への報酬返還訴訟、二審判決で返還額が大幅減額
京都新聞ホールディングス(HD、京都市)とその子会社2社が、大株主で元相談役だった白石浩子氏(85)に対して支払った報酬と私邸管理費の返還を求めた訴訟の控訴審判決が、3月25日に大阪高等裁判所で言い渡されました。判決では、一審の京都地方裁判所が命じた全額返還を変更し、返還額を合計約3億1千万円に減額する内容となりました。
一審判決からの変更点と裁判長の指摘
森木田邦裕裁判長は判決理由の中で、白石氏が受け取った報酬について「破格の額が長期間にわたって支払われており、高額にすぎる」と明確に指摘しました。この点では一審判決と同様の認識を示しています。
しかし一方で、裁判長は他の相談役らと同程度の金額までの受領は許容されると判断。さらに、私邸の管理費についても「全てが白石氏個人のために使われたとは認められない」との見解を示し、これらの理由から返還額の減額を決定しました。
訴訟の背景と企業側の対応
この訴訟は、京都新聞HDと子会社が白石氏に支払った報酬と私邸管理費が合計約5億円に上り、その返還を求めたものです。一審の京都地裁では全額返還が命じられていましたが、二審となる大阪高裁で大幅な減額判断が下されました。
京都新聞HDは既に2024年12月、白石氏が保有する全てのHD株式の取得が決定したことを受けて、白石氏側との資本関係解消を正式に発表しています。この判決は、同社のガバナンス改革の一環として注目される事案となっています。
今後の影響と注目点
今回の二審判決により、返還額は約3億1千万円に減額されましたが、依然として多額の返還が命じられた形です。企業のコーポレートガバナンスと役員報酬の適正性が改めて問われる判決となりました。
- 破格の報酬額が長期間継続していた事実
- 他の相談役との比較による適正範囲の設定
- 私邸管理費の使途に関する認定の難しさ
- 大株主との資本関係解消後の清算処理
今後の展開としては、双方がさらに上告する可能性も残されています。また、同様の役員報酬問題を抱える他企業への波及効果にも注目が集まっています。



