エア・ウォーター前会長が相談役を辞任 会計不正調査の終了受け
産業ガス大手のエア・ウォーター(本社:大阪市)は3月31日、同社で会計不正が発覚した問題を受け、豊田喜久夫相談役が同日付で辞任したと正式に発表しました。豊田氏は2025年12月まで会長兼最高経営責任者(CEO)を務め、その後は相談役として在籍していました。
今回の辞任は、会社側が特別調査委員会による最終的な調査報告書を受領したことを受けて、豊田氏自身から申し出があったものです。同社はグループ内で発覚した不正会計をきっかけに、2025年10月に特別調査委員会を設置し、詳細な調査を進めてきました。
グループ37社で発覚した大規模な不正会計
調査の結果、エア・ウォーターを含むグループ会社の計37社において、以下のような不適切な会計処理が行われていたことが明らかになりました。
- 売り上げの二重計上
- 損失の先送り
- 在庫の過大計上
- 売り上げのかさ上げ
特に、2025年3月期までの直近6年間では、売上高が計667億円、営業損益が計209億円水増しされていたと中間報告書で指摘されています。この規模の不正は、産業界に大きな衝撃を与えています。
「売り上げ・利益成長至上主義」と権力集中が背景に
報告書では、不正の背景として「売り上げ・利益成長至上主義」とも表現される過度な目標設定へのプレッシャーが挙げられています。さらに、豊田氏への権力集中が問題視され、それが不正の温床となったと分析されています。
具体的には、豊田氏が幹部に対して「お前はクビや」や「今まで払った給料返せ」といった発言で迫り、会長室のフロアに響き渡る大声で怒鳴ることもあったと報告されています。このような圧力的な環境が、不正会計を助長した可能性が高いと見られています。
エア・ウォーターは、今回の調査結果を踏まえ、今後のガバナンス強化と再発防止策に取り組む方針です。産業ガス業界における企業統治の在り方が、改めて問われる事態となりました。



