富士通子会社が下請け業者に金型を無償保管させ、公取委が再発防止勧告を発出
公正取引委員会は2026年3月24日、富士通の子会社である「富士通フロンテック」(本社:東京)が、現金自動預け払い機(ATM)などの製造に必要な部品の金型を取引先に無償で保管させていたとして、下請法(現・中小受託取引適正化法)違反を認定しました。これに基づき、同委員会は再発防止などを求める勧告を正式に発出しました。
違反内容と調査の経緯
公取委の発表によると、富士通フロンテックは遅くとも2024年5月以降、長期間にわたって発注する見通しがないにもかかわらず、取引先の業者48社に対して、端末機器の部品の金型など計2577個を無償で保管させていたとされています。この行為は、利益提供要請の禁止に抵触する下請法違反と判断されました。
今回の調査は、中小企業庁が先月に勧告を求める措置請求を公取委に行っていたことに端を発しています。勧告では、富士通フロンテックに対し、再発防止策の徹底に加えて、保管にかかった費用を業者側に支払うよう明確に求めています。
背景にあるATM需要の減少
この問題は、キャッシュレス決済の普及に伴い、ATMの需要が減少している状況と深く関連しています。親会社の富士通は昨年6月、ATMと銀行の窓口で使われる端末の提供を2028年3月末で終了すると発表しており、業界全体の構造変化が背景にあることが浮き彫りになりました。
公取委は、こうした市場環境の変化を踏まえつつ、下請け業者への不当な負担を防止するため、厳格な対応を取った形です。今後、同社が勧告に従い、適切な措置を講じるかが注目されます。



