ニデック不正会計の闇深掘り 創業者直属の「特命部長」が秘密裏に処理
ニデック不正会計 創業者直属の特命部長が秘密処理

ニデック不正会計の闇 創業者直属の「特命部長」が秘密裏に処理

世界的なモーターメーカー大手のニデック(旧日本電産)において、深刻な不正会計問題が表面化している。特に注目されるのは、創業者である永守重信氏の直属で活動していた「特命監査部長」と呼ばれる人物の存在だ。この人物は組織内で極めて特異な立場にあり、不正事案の処理を秘密裏に進める役割を担っていたことが明らかになった。

第三者委員会が暴いた「A」と呼ばれる人物

不正会計疑惑を調査するために設置された第三者委員会の報告書によると、経営管理監査部には「A」と呼ばれる人物が在籍していた。この人物は永守氏から直接「特命監査部長」の肩書を与えられており、その業務内容については永守氏以外、ほとんど誰も詳細を知らなかったという。

「組織になじもうとしないが、監査能力は高い」との評判を聞きつけ、永守氏が子会社から引き上げたとされるA氏は、2011年頃から重要な役割を果たすようになる。永守氏に届く会計不正や着服・横領などの告発に対して、A氏が調査を指示され、その処理を秘密裏に進めることが主な任務だった。

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「表沙汰にせずに不正を正す」という永守氏の考え

永守氏は第三者委員会のヒアリングに対し、「監査部に調査を指示すると、監査法人とも情報共有することとなり、大事になる。表沙汰にせずに不正を正し、反省している者にはやり直しの機会を与える方が良いと考えた」と説明している。この方針に基づき、A氏による特命調査が実施され、不正約300件、約350億円が摘出されたという。

具体的な事例として、2019年にA氏が特定のグループ会社に対して行った特命監査では、損失計上の先送りなどで蓄積した「負の遺産」が21億円にのぼると永守氏に報告された。この中には金型の架空売り上げ計上など、直ちに処理すべき不正も含まれていた。

外部流出リスクを排除した段階的償却計画

しかし、A氏は「外部流出リスクを徹底的に排除した対応を継続」することを主張し、段階的な償却計画を上申。永守氏もこれを承認した。これにより、不正事案が公になることなく、内部で処理されるシステムが構築されていた実態が浮き彫りになっている。

また、別の国内グループ会社においても同様の手法が取られており、不正会計がグループ内に蔓延していた構造が明らかになった。買収巧者として名声を得ていた永守氏の経営手法の裏側には、こうした秘密裏の不正処理システムが存在していたのである。

第三者委員会の調査報告書は、ニデックのガバナンス体制に根本的な問題があったことを指摘しており、「永守氏からの脱皮」を提言している。不正会計問題は単なる経営上のミスではなく、創業者中心の経営体制そのものが生み出した闇の部分を露呈する結果となった。

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