スーパー「かましん」、独禁法違反で警告 納入業者に無料納品と無償労働を要求
スーパー「かましん」独禁法違反警告 無料納品と無償労働要求

スーパー「かましん」が独占禁止法違反で警告 納入業者に無料納品と無償労働を要求

公正取引委員会は2026年3月5日、栃木県を中心に22店舗を展開するスーパーマーケット「かましん」(本社・栃木県茂木町)に対し、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで再発防止を求める警告を発出しました。同社は「オープン協賛」という名目で納入業者に商品を無料または半値で納品させ、さらに従業員を無償で労働させていたことが明らかになりました。

無料納品と無償労働の実態

公取委の調査によると、かましんは遅くとも2022年3月から2025年12月までの期間、約40社の納入業者に対して「オープン協賛」として商品を通常価格の半額、あるいは完全無料で納品するよう要求していました。この結果生じた差額分、約1700万円を同社は自社の利益として計上していたことが判明しています。

さらに深刻なのは、約60社の納入業者から延べ約1万人の従業員を、店舗の新規開店作業、改装工事、売り場の棚替え作業などに無償で動員していた事実です。これらの作業は本来、スーパー側が費用を負担すべき業務であり、納入業者側の負担となっていました。

立場の弱い納入業者の実情

栃木県で売上トップを誇るかましんは、地域において圧倒的な購買力と影響力を持っています。公取委は、立場の弱い納入業者が「取引への悪影響を懸念し、協賛金の支払いや従業員の無償派遣を断ることができない状況にあった」と指摘しました。

実際、業者側は公取委の調査に対し、「かましんからの要請を断った場合、発注量が減らされるのではないかと恐れた」と説明しています。この発言は、優越的地位にある企業が取引先に対して不当な圧力をかけていた実態を如実に物語っています。

業界慣例化した行為と公取委の対応

今回明らかになったかましんの行為は、小売業界では「業界の慣例」とされるケースが少なくありません。公正取引委員会は、大都市圏だけでなく地方においても同様の監視を強化しており、優越的地位の乱用に対して厳しい姿勢を示しています。

公取委の警告は、かましんに対して再発防止を求める行政指導であり、今後同社が適切な是正措置を講じるかどうかが注目されます。また、同様の行為を行っている他の小売業者に対しても、強い警告メッセージとなっています。

この問題は、取引における力関係の不均衡が生み出す構造的な課題を浮き彫りにしました。大規模小売業者と中小規模の納入業者との間の公平な取引関係の確立が、業界全体の健全な発展にとって不可欠であることが改めて認識される結果となりました。