第三者委の調査結果に異議、Abalanceが検証委員会を設置
上場企業が自ら設置した第三者委員会の調査結果に納得できず、新たな検証委員会を設置して物言いをつけるという異例の事態が発生した。不正会計を指摘された東京証券取引所スタンダード市場上場のAbalance(本社・東京)において、ガバナンス上の問題が深刻化している。この動きは、企業統治の在り方に加え、第三者委員会の機能そのものにも影を落とす形となった。
「売れ入れがたい報告書」と弁護士が批判
2026年3月11日、東京都中央区の東京証券取引所で記者会見が開かれ、検証委員会の委員長を務める郷原信郎弁護士が厳しい口調で述べた。「第三者委員会の報告書は売れ入れがたい、到底評価できないものだ」。同社取締役の柳瀬重人氏らも同席し、問題の深刻さを浮き彫りにした。
Abalanceは2024年3月、過去の売り上げが過大計上されていたとして財務諸表を訂正。工事の発注先への部品売り上げが会計ルールに反して計上されており、当時の監査等委員会は「担当者の知識不足などが原因」とする調査結果をまとめていた。しかし、この結論に疑問が持たれ、証券取引等監視委員会の動向も注目される中、新たな検証委員会の設置に至ったのである。
ガバナンス問題がさらに深刻化
今回の対応は、企業の内部統制や透明性に対する信頼を大きく損なう可能性が高い。第三者委員会は、不正や不祥事が発生した際に客観的な調査と是正を促す役割を担うが、その調査結果自体が争われる事態は極めて異例だ。
ガバナンス上の問題が指摘される中、今後の展開には以下の点が注目される。
- 検証委員会による詳細な再調査の結果
- 証券取引等監視委員会の対応や監督当局の動き
- 株主や市場関係者からの反応と企業価値への影響
この問題は、単なる一企業の不祥事を超え、上場企業全体のコーポレートガバナンスの在り方や、第三者委員会の機能と独立性について根本的な問いを投げかけている。今後の調査結果と対応が、日本の企業統治の方向性に影響を与える可能性も否定できない。



