段ボール製造大手に公取委が勧告 印版・木型7800個超を下請けに無償保管させた疑い
公正取引委員会は2026年3月13日、段ボール製造大手の「日本トーカンパッケージ」(東京都品川区)に対し、中小受託取引適正化法(旧・下請法)違反を認定し、勧告を出した。同社が製造を委託した下請け事業者に対し、大量の印版や木型を無償で保管させていたことが問題視された。
7800個超の部品を無償保管させていた実態
公取委の発表によると、日本トーカンパッケージは遅くとも2024年4月以降、段ボールの製造を委託した132の事業者に、以下の部品を無償で保管させていた。
- 段ボールに文字などを印刷する樹脂製の印版:6538点
- 折り目を入れるために使用する木型:1308個
これらの部品は同社が貸与したものであり、1年以上発注がなかったにもかかわらず、下請け事業者に保管を継続させていた。合計で7846個に上る大量の部品が、工場や倉庫で無償保管されていたことになる。
「不当な経済上の利益の提供要請」と認定
公取委はこの行為を「不当な経済上の利益の提供要請」に該当すると判断。中小受託取引適正化法違反を認定し、同社に対して費用の支払いと再発防止策の徹底を求める勧告を出した。今回の調査は、中小企業庁が行った措置請求に基づいて実施された。
製造業界では、型の無償保管が商慣習として行われる場合があるが、公取委は下請け事業者に過剰な負担を強いる行為として問題視。発注元である親企業が強い立場を利用し、下請けに不利な条件を押し付けるケースが後を絶たない実態が浮き彫りとなった。
再発防止と業界全体への波及効果に注目
日本トーカンパッケージは、公取委の勧告を受け、速やかな対応が求められる。今回の措置は、中小企業の保護と公正な取引環境の確保を目的としており、同様の行為を行っている他の企業への警告ともなる。
公取委は、下請け取引の適正化に向け、継続的な監視と指導を強化していく方針。業界全体において、適正なコスト負担と透明性のある取引関係の構築が急務となっている。



