コンサルティング大手デロイトトーマツグループの子会社が、総務省から受託した業務において、約3100万円の人件費を過大に請求していたことが明らかになった。この問題を受け、総務省は4月28日、子会社であるデロイトトーマツテレワークセンター(福島県)に対し、3カ月間の指名停止処分を科した。処分期間中、同社は総務省が実施する競争入札などに参加できない。
組織的な不正と管理責任者の関与
総務省情報流通振興課によると、同社は高齢者向けスマートフォン教室などの事業審査業務を約30億円で受託。しかし、実際に従事した人数や作業時間を水増しし、2023年度に約3100万円を過大に請求していた。担当チームが組織的に不正を働き、複数の管理責任者がこの事実を認識していたという。2024年度にも過失による約100万円の過大請求があったとされている。
総務省は過大請求分の返金を求めるとともに、「再発防止のため適正な業務執行に努める」とコメントしている。
グループ内で相次ぐ不正
デロイトトーマツグループの別の子会社、ストーンビートセキュリティ(東京)も、4月10日に内閣官房から6カ月間の指名停止処分を受けている。国家サイバー統括室によると、昨年5月に委託したセキュリティ対策調査において、情報管理上の理由で指定された場所以外での作業が発覚。今年3月に契約を解除され、違約金の支払いを求められている。
デロイトトーマツグループは両事案について、「業務管理体制に不備があったと認識している。類似案件の調査と原因分析を実施し、親会社の監督機能を強化して再発防止策を徹底する」と説明している。
中央省庁のコンサル依存と不正の背景
中央省庁では近年、コンサル企業への業務発注が増加傾向にある。専門知識や外部視点の活用が目的だが、発注額の増大に伴い、不正な請求や契約違反が後を絶たない。同業大手のアクセンチュアなどでも同様の事例が報告されており、業界全体のガバナンスが問われている。
専門家は、官庁側のチェック機能の弱さや、コンサル企業の利益追求姿勢が背景にあると指摘する。今後は発注プロセスの透明化や、不正防止のための監査体制強化が求められる。



