日本製紙は28日、2030年度までの5年間で、グラフィック用紙の生産能力を約3割削減する方針を明らかにした。国内需要の減少を見越した対応で、固定費削減などにより収益力の強化を図る。
生産拠点の集約と転換
同社は国内に12の工場を保有する。このうち、書籍や雑誌向けの印刷用紙、コピー機やレジで使用される情報用紙、新聞用紙などの「グラフィック用紙」を多く生産するのは、北海道の旭川と白老、宮城県の石巻と岩沼、山口県の岩国、熊本県の八代の6工場である。
今回の計画では、石巻と岩国を東西の基幹工場、岩沼を国内最大の新聞用紙供給拠点と位置づけ、これら3工場に生産を集約する。残りの3工場については、トイレットペーパーなどの家庭紙への生産品目転換や、木質由来の航空燃料といった新規事業の拠点とすることを検討し、構造転換を進める。
経営陣の見解
瀬辺明社長は「グラフィック用紙の需要は長期的に減少傾向にあり、生産体制の抜本的な見直しが必要と判断した」と述べ、今回の決定の背景を説明した。また、「集約による効率化と、新規事業へのシフトにより、持続可能な成長を目指す」と強調した。
同社は、需要減少に対応するため、設備の休止や廃棄も視野に入れており、具体的な時期や規模については今後詰める方針だ。業界全体では、デジタル化の進展に伴い紙需要が縮小しており、各社が生産能力の削減や事業構造の転換を迫られている。



