積水化学工業は、薄くて曲げられるフィルム型の「ペロブスカイト太陽電池」の事業計画を見直したことを明らかにした。2030年度に想定していた売上高1500億~2千億円を、1千億円に引き下げた。製品の性能を上げて、生産コストを下げる取り組みを優先するためという。
計画見直しの背景
ペロブスカイト太陽電池は日本発の技術で、シリコンを使った既存の太陽電池が設置しにくい屋根や壁面などにも取り付けられる。次世代の太陽電池として国などが普及を後押ししており、主原料のヨウ素が国内で調達できるのも特徴の一つだ。
積水化学は国内初となるフィルム型の製品の販売を3月に開始した。シャープの堺工場(堺市)の一部を取得し、約900億円を投じて10万キロワットの生産ラインを建設。27年度の稼働開始を予定している。
当初計画と修正点
これまでの計画では、30年度までに3本の生産ラインを設置し、原子力発電所約1基分に相当する年100万キロワットの供給体制を構築する予定だった。しかし、積水化学の清水郁輔社長は「競争力のある製品をしっかり作る方が重要だ」と指摘。既存の太陽電池と同等の発電コストを早期に実現することを優先すると判断し、「急がば回れ」の考え方だと説明した。
見直しでは、26年度から約50億円を投じ、発電効率がより高い製品の開発や生産コストの低減などの技術を磨く。その成果を反映し、28年度の早期に生産ラインの増設を決定するという。
この事業を担う子会社の積水化学の取り組みは、今後の再生可能エネルギー市場に大きな影響を与えると期待される。



