関西電力子会社で10年に及ぶ大規模不正、水増し請求額は2億8800万円に
関西電力グループの子会社「かんでんエンジニアリング」(大阪市)において、従業員による警備費用の水増し請求問題が発覚した。同社は3月30日、外部弁護士らによる調査結果を公表し、不正の全容が明らかとなった。
長期にわたる組織的な不正の実態
調査によると、電気工事を担当する2部門の従業員16名が警備会社と結託し、2015年から2025年までの10年間にわたり、警備費用の水増し請求を継続的に行っていた。不正総額は約2億8800万円に達し、これは警備員の人数や稼働時間を意図的に修正する手口によって積み上げられたものだ。
水増し請求された巨額の資金は、かんでん側に現金で約1280万円、商品券など数回にわたるキックバックとして還流したほか、ゴルフコンペの費用などに流用されていた。調査報告書は「相当長期にわたって積み増し請求が行われていた」と認定し、組織的な不正の深刻さを浮き彫りにした。
不正を許した構造的要因と経営陣の責任
不正の背景には、長年にわたる警備会社への交際費のつけ回しと癒着構造が存在していた。さらに、帳簿類の改ざんが発覚しにくい職場環境、内部監査体制の不備、従業員のコンプライアンス意識の欠如など、複数の要因が重なっていたことが判明した。
調査結果を受けて、かんでんエンジニアリングは大久保昌利社長を含む役員3名に対し、4月から月額報酬を20%から10%減額する処分を発表した。この処分は経営陣の監督責任を明確にしたものであり、再発防止に向けた強いメッセージとなっている。
今後の対応と社会的影響
同社は現在、不正に関与した従業員および警備会社に対して、刑事責任と民事責任の両面から法的措置を検討している。この問題は電力業界全体の信頼性に影響を与える可能性があり、関西電力グループとしてのコンプライアンス体制の根本的な見直しが迫られている。
大阪を拠点とする企業として、地域社会からの信頼回復が急務となっており、透明性の高い経営と厳格な内部統制の確立が今後の課題として浮上している。



