「日の丸液晶」JDI、12年連続赤字で上場廃止の危機
JDI、12年連続赤字で上場維持に暗雲

「日の丸液晶」とも称されたジャパンディスプレイ(JDI)が、深刻な経営危機に直面している。2026年3月期決算で12年連続の赤字を計上し、東京証券取引所の上場維持基準に抵触する恐れが高まっている。

12年連続の赤字、債務超過は74億円

JDIが14日に発表した2026年3月期の連結決算によると、純損益は198億円の赤字(前年は782億円の赤字)だった。赤字は12年連続となり、売上高は前年比29.6%減の1323億円に落ち込んだ。基幹工場である茂原工場(千葉県茂原市)や鳥取工場(鳥取市)の生産終了に伴う受注減少が主な要因だ。一方で、工場閉鎖や人員削減などのリストラ効果により、赤字幅は前年から縮小した。

2026年3月末時点で、JDIは74億円の債務超過に陥っている。東京証券取引所の上場維持基準では、2027年3月末時点で債務超過を解消できなければ、上場廃止となる可能性がある。

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明間社長「最悪の結果にならないよう全力」

JDIの明間純社長は14日の決算説明会で、「最悪の結果にならないように、全社一丸となって取り組む」と述べ、危機感をあらわにした。明間社長が言う「最悪の結果」とは、上場廃止を指す。

JDIは、早期の債務超過解消を目指し、不動産売却による資金確保を進めている。しかし、交渉は難航しており、計画通りに進まなければ上場維持に影響が出る恐れがある。

基幹工場の生産終了を前倒し

JDIは、経営再建の一環として、茂原工場と鳥取工場の生産終了を前倒しした。茂原工場は2025年11月に生産を終了しており、これにより受注減少が加速した。同社は、これらの工場閉鎖に伴う固定費削減効果を期待しているが、短期的な収益改善には至っていない。

「日の丸液晶」の栄光と凋落

JDIは2012年、ソニー、東芝、日立製作所の中小型液晶事業を統合して設立された。官民ファンドの産業革新機構(現INCJ)の支援を受け、「日の丸液晶」として国の期待を背負った。しかし、韓国や中国メーカーとの競争激化や、有機EL(OLED)への移行の遅れから、業績は悪化の一途をたどっている。

同社はこれまで、複数回にわたる金融支援や事業再編を実施してきたが、抜本的な収益改善には至っていない。2025年には、アップル向け液晶パネルの需要減少も追い打ちをかけた。

今後の見通しと課題

JDIは、2027年3月期の業績予想を開示していないが、早期の債務超過解消が急務となっている。不動産売却の交渉がまとまらなければ、追加の資金調達や事業売却も検討せざるを得ない。

アナリストからは、「JDIの技術力は依然として高いが、市場環境の変化に対応できていない。上場廃止となれば、さらなる信用低下は避けられない」との指摘が出ている。

JDIの命運は、今後の資金調達と事業構造改革の成否にかかっている。かつて「日の丸液晶」と期待された企業が、再び立ち直ることはできるのか。正念場が続く。

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