カップ焼きそばを手がける「まるか食品」などを傘下に持つペヤングホールディングス(群馬県伊勢崎市)は、伊勢崎市内に新工場を建設する。2029年の稼働を目指し、商品の生産能力を現状の最大1.7倍程度に引き上げる。敷地内には、工場見学などができる体験施設「ペヤングパーク」も整備する方針で、交流人口の拡大が期待される。
新工場の概要と生産能力
同社は現在、同市内に本社工場と赤堀工場を持ち、製造ラインは計7ラインで、主力の「ペヤングソースやきそば」は1日当たり最大70万食を製造できる。新工場にはまず4ラインを設け、最大6ラインまで増やす計画だ。
需要の変化と西日本への展開
近年は物価高による節約志向の高まりで、通常サイズの「ペヤングソースやきそば」のほか、ボリューム感のある「ペヤングソースやきそば超大盛」が売り上げを伸ばしており、災害時の備蓄向けのニーズも高いという。現在の出荷量の約7割は東日本に集中しており、生産体制の拡充で、西日本などに展開エリアを拡大する狙いもある。
海外展開と今後の目標
新たな販路として、海外展開にも本腰を入れる。将来的に国内の人口減少が見込まれる中、旺盛な海外需要を取り込みたい考えで、年内に北米向けにカップ焼きそばを製造する予定だ。20万食程度を試験的に販売し、順調にいけば東南アジアでの展開も視野に入れる。
米国では、食肉や食肉エキス入りの食品の輸入が規制されている。そのため、本来は乾麺にする際に動物性油脂のラードで揚げているが、米国向けには植物性油脂を使用する。液体ソースにも食肉エキスが含まれているが、代替品に置き換え、日本で販売する商品の味に近づける。同社は「カップ焼きそばは、現地に住む日本人の需要が高い。外国人にも日本の即席麺は高い評価を受けており、しっかり売り込みたい」としている。
グループの25年の売上高は約350億円で、新工場の稼働や海外進出により、600億円まで伸ばす計画を掲げている。新工場に設ける体験施設では、一般向けに商品購入や工場見学などができるようにする考えで、同社は「人が交流でき、楽しめる場所を検討している。製造ラインや付帯業務に関わる雇用も拡大する可能性がある」としている。