伊澤タオル、新CIと新ブランド「i-TOWEL」発表 東証上場で業界主導権を目指す
伊澤タオル、新CIと新ブランド「i-TOWEL」発表

伊澤タオル株式会社は9月25日、代官山T-SITE GARDEN GALLERYで新事業戦略および新ブランド発表会を開催した。代表取締役社長の伊澤正司氏がタオル業界の課題と今後のビジョンを発表し、新CIと新ブランドを手掛けたグラフィックデザイナーの佐藤卓氏(株式会社TSDO代表取締役会長)とのクロストークが行われた。第2部では俳優の小林涼子氏を迎え、i-TOWELの使用感やQOLとの関係を語った。

タオル業界に主導権を、上場が支える事業戦略

伊澤氏は、佐藤氏に新CIを依頼した経緯を紹介。「タオルのイノベーション」という難解な事業を託せる相手は佐藤氏しかいなかったと振り返った。佐藤氏は、初めて会った際にタオルの構造について質問したことを明かし、タオルの仕組みについて熱心に語る伊澤氏の話を聞くうちに、「気がついたらタオルの中に自分が入り込んでいた」と語った。

タオル業界の課題として、伊澤氏は明確な評価基準がなかった点を挙げる。独自の検査・評価方法を築くには業界での主導権が必要だとし、2025年6月に日本のタオル企業として初の東証上場を果たしたと明かした。今後は国内のマスマーケット構築、その先にグローバルスタンダードの確立を見据えているという。

日本製は薄くて小さく、海外製は厚くて重い。この差を踏まえ、日本の吸水性や肌触りの良さを活かしつつ、国際的な製造ラインで適正価格を実現する構想を語った。

新コーポレートメッセージ「One Towel, One Quality」

事業戦略を受け、新たなコーポレートメッセージ「One Towel, One Quality」が発表された。タオルは用途によって求められる機能が異なり、好みも人それぞれ分かれる。伊澤氏はこの点を佐藤氏に伝えたことが、メッセージ誕生のきっかけになったと明かした。

新コーポレートシンボルマークも披露。社名「izawa」の頭文字「i」をモチーフにしたもので、佐藤氏は「小文字のiの下の形は、タオルを干した様子を横から見た形」だと説明した。「私」「愛」「イノベーティブ」といった意味も込めたという。

「濡れた状態」の心地よさを追求した新ブランド

コンセプトVTRでは“世界最高ではなく、あなたの最高を目指したタオル”というメッセージが示された。伊澤氏は「タオルに関する相談を受けるたび、何を勧めるべきか考えてきました。そこで培った知見をもとに、一人の好みに偏らない商品作りを目指しました」と語った。

清掃などの業務用途は含めず、身体専用に特化した点が今回のこだわりだ。従来は乾いた状態で評価されてきたタオルに対し、i-TOWELでは、濡れた身体を拭いたときの拭き取りの良さや爽快感を追求したという。「業界でも初めての取り組み」だと語った。

小林涼子が語る、i-TOWELとの出会い

第2部では俳優の小林涼子氏が登壇。2021年に農業の会社を立ち上げて以来、タオル研究所の商品を愛用してきたと明かし、今回のオファーには「誰がうちのタオル事情を知っているんだろう」と驚いたと振り返った。

i-TOWELの使用感については、分厚さと柔らかさが印象に残ったと語る。吊るして収納できるタグにも新鮮さを感じたといい、農作業の現場での使いやすさを評価した。QOL(生活の質)については、俳優業と農業を両立する中、理想の暮らしを実践しきれないもどかしさがあったという。それでも乾燥機にかけても型崩れしにくく、汚れが目立ちにくい色展開があるi-TOWELの存在が、日々の小さな快適さにつながっていると語った。

佐藤氏は“デザインは日常と密接に関わるもの”だとし「心地よいデザインほど意識されません。居心地の悪さを感じたときに初めて気づくものです」と語った。

最後に伊澤氏は、100年後を見据えた開発姿勢を強調。「木造建築の基礎研究があったから、耐震構造などの技術が生まれた」と例え、綿素材の可能性を突き詰めることが、今後の技術発展の土台になるという考えを語った。「新しいタオルの概念が構築される時、その中心にいたい」と会を締めくくった。