プロジェクトマネージャー(PM)不足は、もはや業界を超えて共通認識となり、開発現場の大きな課題となっています。IT人材不足が深刻化する中、特にPMやプロダクトマネージャー(PdM)といった中間マネジメント層の不足が顕著です。情報通信業の75%、非情報通信業の57%がPM不足を深刻視しているというデータもあります。
実際の開発現場でも、「エンジニアはそろっているのにプロジェクトが進まない」「要件が固まらず迷走する」といった声が相次ぎ、企業のDX推進の停滞要因としてPM不足が影響しているケースも少なくありません。
なぜ今、「PM不足」が叫ばれているのか
現在、多くの企業でPMやPdMの募集が見られますが、求人票を比較するとその定義は企業ごとに異なります。組織の規模やフェーズによって役割の幅も異なり、スタートアップや小規模組織では一人が企画から進行管理まで担う一方、大手や大規模開発組織では「PM=進行管理」「PdM=企画責任」と明確に切り分けるケースもあります。
こうした定義の曖昧さは、採用現場で求職者の期待と実際の業務内容のズレを生む要因となっています。例えば「技術職出身のPMとして採用されたが戦略策定まで任された」「PdMとして入社したのに進捗管理ばかり担当している」といった事例はめずらしくありません。
情報処理推進機構(IPA)が発表した「DX動向2025」によれば、DX推進に必要なスキルを獲得できている日本企業はわずか14.9%にとどまり、米国やドイツの約50%と比べて大きな差があります。さらに75.7%の企業が評価基準を持っておらず、「どんな人材をPMと定義するか」があいまいなまま採用が進んでいる実態が浮き彫りになっています。
採用のミスマッチを防ぐために
この状況を放置すれば、採用のミスマッチはさらに拡大し、せっかく採用した人材であっても力を発揮できずに早期離職やモチベーション低下につながりかねません。こうしたリスクを回避するためにも、企業は「自社にとって必要とされるPM像や役割を明確に定義すること」が不可欠です。
採用現場では、スキルだけでは「できるPM」を見抜けないことが指摘されています。企業は、PMに求める役割を明確にした上で、評価手法を工夫することが求められています。



