千葉県有建物の長寿命化計画、事業費が当初試算を大幅に超過
千葉県が所有する庁舎や学校などの公共施設について、大規模改修や計画保全を定めた「県県有建物長寿命化計画」において、2026年1月末時点での事業実績額が、計画策定時の試算額を約5割上回ったことが明らかになった。資材価格の高騰を主因とする建築費や人件費の上昇が影響しており、今後の事業費膨張への懸念が高まっている。
計画対象は1871棟、33施設で改修・建て替え完了
県資産経営課によると、この計画は2018年度から2045年度までの期間を対象としており、県有建物1871棟が整備の対象となっている。2026年1月末までに、33施設において大規模改修や建て替えが完了した。これらの施設にかかった費用は、計画策定時の2017年度当初に試算された340億4700万円に対し、実際には508億6700万円に達し、約5割の増加を示している。
特に2025年度に完了した2施設の実績額は、試算額の約3.2倍となる111億5500万円に上った。具体的には、県文化会館の大規模改修と県総合スポーツセンターテニス場の建て替えが実施され、資材価格の高騰によるコスト増が顕著に表れた。
資材高騰が主因、基金積み増しで対応も限界
事業費増加の背景には、資材価格の高騰に伴う建築費や人件費の上昇が大きく影響している。県は2024年度に「県有施設長寿命化等推進基金」を積み増すなどの対策を講じているが、今後の事業費が当初の想定を超えて膨らんでいく可能性が指摘されている。
この状況は、公共施設の維持管理や更新に関する財政負担の増大を浮き彫りにしており、持続可能な施設運営に向けた新たな方策が求められている。県関係者は、「資材価格の動向を注視しつつ、効率的な事業実施を模索していく必要がある」と述べ、対応に苦慮する様子を明かしている。
長寿命化計画は、建物の耐用年数を延ばし、環境負荷を軽減することを目的としているが、費用面での課題が顕在化した形だ。今後の進捗によっては、計画全体の見直しや優先順位の再検討も避けられない状況となっている。



