金価格の高騰が若者の資産意識を変革、リサイクル市場も活性化
金(ゴールド)の店頭小売価格が2026年3月に入り、1グラムあたり3万円の大台に再び到達した。この金価格の高騰は、従来の地金商だけでなく中古販売店にも大きな影響を与えており、客層にも顕著な変化が表れている。特に若年層が金を「資産」として認識し、売買に積極的に参入する動きが加速している。
リユース店舗に押し寄せる若い顧客たち
2月上旬の平日昼どき、東京都新宿区にあるリユース大手・コメ兵の店舗では、金の買い取りを求める人々で賑わっていた。その中には、これまであまり見られなかった20代から30代の若い顔ぶれが目立つ。
埼玉県在住の20代会社員男性は、5~6年前に購入した金の指輪の査定に訪れた。「現在の金価格が上昇しているため、売却すれば利益が得られる可能性がある」と考え、高値で買い取ってくれる店舗を複数回り比較検討しているという。さらに彼は「指輪を売却した後、新しい金のジュエリーに買い替えたい」と語り、消費と投資を組み合わせた新しい行動パターンを示している。
買取件数と単価が大幅に増加
コメ兵によれば、貴金属を中心とした中古品の買い取り件数は、2025年12月時点で前年同月比20%増加した。さらに注目すべきは、1件あたりの買い取り単価が平均30万円に達し、前年比で実に50%も上昇している点だ。この数字は、金価格の高騰が単なる市場の動きではなく、実際の取引に直接反映されていることを如実に物語っている。
同社関係者は「かつては見られなかった20~30代の顧客が増えている」と指摘。若年層が金を単なる装飾品ではなく、価値の保存手段や投資対象として捉え始めていることが背景にあると分析する。
リサイクル産業にも波及する好影響
金価格の上昇は、リサイクル産業にも大きな追い風となっている。宝飾品や電子機器などから金を取り出すビジネスが活況を呈しており、家庭で長年眠っていた金製品が続々と市場に流出している。これにより、リサイクル業者の収益が向上し、産業全体が潤う好循環が生まれている。
専門家は「金の価格上昇が持続すれば、さらに多くの人々が保有する金製品を売却する動きが加速するだろう」と予測。特に若年層の間では、金を流動性の高い資産として活用する傾向が強まると見られている。
今後の市場動向に注目
金価格が1グラム3万円を突破した背景には、国際情勢の不安定さや通貨価値への懸念など、複数の要因が重なっている。市場関係者は「若年層の参入が新たな需要を生み出し、価格を下支えする可能性がある」と指摘する。
今後も金価格の動向が注目される中、若者の資産形成手段としての金の地位が確立されるかどうかが焦点となる。リユース市場とリサイクル産業の連動した発展が、持続可能な経済活動の一翼を担う可能性も秘めている。



