イラン情勢の緊迫化で日本株が大幅下落、読売333は週間で5・7%安に
読売新聞社が公表する日本株の株価指数「読売333」が、2026年3月2日週に大幅な下落を記録しました。投資情報サイト「トレーダーズ・ウェブ」などを運営する「DZHフィナンシャルリサーチ」の日本株アナリスト、小松弘和氏による週間分析によると、中東情勢の緊迫化が市場に大きな影響を与えました。
3指数がそろって5%超の下落、地政学リスクが市場を圧迫
先週の読売333は週間で5・7%安となり、日経平均は5・5%安、TOPIXは5・6%安と、3指数がそろって5%を超える大幅な下落を示しました。この下落は、2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃し、イランが報復措置を実施したことで、中東の地政学リスクが急激に高まったことが主な要因です。
戦闘の長期化懸念が浮上する中、原油価格の上昇やホルムズ海峡に関するニュースが連日報じられ、日本企業への悪影響が強く意識されました。市場は週初から大きく売られる展開となり、月曜から水曜の3営業日でかなり派手に下げました。週後半には押し目買いが入ったものの、週間では3指数が大幅に下落する結果となりました。
特に注目すべきは、3日と4日の両日で3指数がそろって下落率3%を超えた点です。前週には史上最高値を更新しており、2月は月間で読売333が12・4%高、日経平均とTOPIXが10・4%高と、いずれも2桁の上昇率を記録していただけに、今回の下落の度合いは大きな衝撃を与えました。3指数のパフォーマンスは同程度でしたが、幅広い銘柄が売られる中で読売333の下落率が最も大きくなりました。
個別株の動向:ロームが買収観測で上昇、協和キリンは急落
個別株では、デンソーによる買収観測が報じられたローム(6963)が、6日にストップ高となり、週間でも2桁の上昇率を記録しました。また、傘下の京都銀行がロームの大株主となっている京都フィナンシャルグループ(5844)にも買いが入りました。
一方、中東の地政学リスク高まりに伴い、原油価格が上昇する中、原油との連動性が高いINPEXに資金が向かいました。しかし、アトピー性皮膚炎治療薬の臨床試験を中止すると発表した協和キリン(4151)が、4日にストップ安となるなど急落し、市場を驚かせました。さらに、渡航リスクが高まったことから、空運大手の日本航空(9201)も大きく売られる結果となりました。
構成銘柄の動向:KADOKAWAとトレンドマイクロに注目
読売333の構成銘柄では、KADOKAWA(9468)が2日にアニメに特化した映画配給会社を設立し、5日に巨大アニメ制作拠点を池袋に新設すると発表しました。同週は多くの銘柄が売られる中で、サンリオ(8136)や東宝(9602)などキャラクター・コンテンツに強みを持つ銘柄に見直し買いが入り、これらのリリースに株価も強い反応を示しました。時価総額は4600億円台となっています。
また、セキュリティ関連事業を展開するトレンドマイクロ(4704)は、2月にAIの進化が企業業績に逆風になるとの見方からソフトウェア関連が弱く、セキュリティ関連も売られる部類に入っていました。しかし、ソフトウェア関連に下げ止まり感が出てきたことから、歩調を合わせて底値圏から切り返しました。証券会社の投資判断引き上げも支援材料となり、時価総額は7700億円台を維持しています。
小松弘和氏は、証券会社や生命保険会社での勤務経験に加え、マネーサイトでの株式分析経験もあり、金融全般に精通しています。本分析は、信頼できると判断した各種データや公開情報に基づいていますが、正確性や完全性を保証するものではありません。投資判断にはご自身でのリスク評価が求められます。



