福島駅で救命活動の3人に感謝状 定期的な講習が高齢男性の命を救う
福島駅で救命活動の3人に感謝状 講習の重要性を実証 (26.03.2026)

福島駅で救命活動の3人に感謝状 定期的な講習が高齢男性の命を救う

福島市消防本部は26日、JR福島駅で心肺停止状態の高齢男性を救った3人に感謝状を贈った。表彰されたのは県教育委員会の金沢克美さん(45)、JR関連会社の佐藤隆さん(62)、原田修さん(63)。3人はいずれも職場で定期的に救命講習を受けており、その知識が実際の緊急事態で生かされた。

迅速な連携が命を救った1月26日の出来事

1月26日午前8時12分、福島駅改札前のホームで福島市の70歳代男性が突然倒れ、心肺停止状態になった。通勤中の金沢さんがすぐに119番通報し、駆けつけた佐藤さんと原田さんと連携しながら胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始。駅に備え付けのAED(自動体外式除細動器)を使用した。

約10分後に救急隊が到着する前に男性の心拍は再開し、その後医療機関で治療を受けて社会復帰を果たした。総務省の統計によれば、迅速にAEDを使用した場合の社会復帰率は12倍に上昇するとされている。

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「とっさに体が反応した」 講習経験が生きた瞬間

金沢さんは県教委職員や高校教師として勤務し、救命講習に参加するだけでなく、新任教師向け講習の運営も担当してきた経験を持つ。「不安はあったが、何かしないとと思い、とっさに体が反応した」と当時を振り返る。

佐藤さんと原田さんもJRグループ内で定期的に行われる講習に参加していた。佐藤さんは「講習を受けないと動作がイメージできない。受けた方がいいと実感した」と語り、日頃の訓練の重要性を強調した。

救命講習の効果と社会復帰率の向上

総務省消防庁の調査によると、2024年に心停止になった人のうち、1か月後に社会復帰した割合は次の通りだ。

  • 救急車到着まで市民が何もしなかった場合:3.7%
  • 心肺蘇生を実施した場合:10.4%
  • AEDを使用した場合:44.4%

この日は、日頃から救命講習を実施し、駅施設にAEDを配備するJR東日本福島統括センターにも感謝状が贈られた。渡辺祐一次長は「居合わせた人の協力がいかに重要かを改めて示した。救急は行政だけで完結せず、地域との連携が重要だ」と述べた。

県内の救命体制強化と今後の取り組み

福島県内には今年2月時点で、公共施設や駅などに6,300台以上のAEDが設置されている。安達地方広域行政組合消防本部は今年度から個人向けの救命講習会を開始し、新年度には4回の実施を予定している。

担当者は「より幅広い層に講習を受けてもらいたい」と話し、県内各消防も救命講習の座学部分をインターネットを活用したeラーニングで実施するなど、受講層の拡大に取り組んでいる。

専門家が語る救急蘇生のポイント

県立医大医学部救急医療学講座の伊関憲主任教授は救急蘇生のポイントについて次のように説明する。

倒れている人を発見したら:まず意識や呼吸を確認。呼吸が異常であれば周囲に助けを求め、119番通報とAEDを持ってきてもらうよう依頼する。

心臓マッサージのポイント:胸の真ん中にある胸骨をしっかり押す。1分間に100~120回が目安で、5センチ沈みこむくらい力強く押し、胸を元の位置まで戻すことを繰り返す。

人工呼吸について:人工呼吸にためらいがあり、心臓マッサージもしなかったというケースもあるが、倒れて間もなければ一般市民は心臓マッサージだけでも効果的だ。

伊関教授は「肋骨が折れる場合もあるが、骨折よりも命を救うことの方が大事だ。ためらわずに押してほしい」と強調している。

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