JT、加熱式たばこ事業に8000億円の大規模投資を計画
日本たばこ産業(JT)の筒井岳彦社長(51)が、2028年までの3年間で加熱式たばこ事業に総額8000億円を投資する方針を明らかにした。筒井社長は2026年1月に同社の社長に就任しており、読売新聞のインタビューで今後の成長戦略について詳細を語った。
「日本の喫煙者の半数はまだ加熱式を使用していない」
筒井社長はインタビューの中で、「日本の喫煙者の半数はまだ加熱式たばこを使用していない。十分な伸びしろがある市場だ」と強調した。この発言は、JTが加熱式たばこ市場でのシェア拡大を急務としている現状を反映している。現在、国内の加熱式たばこ市場では、米フィリップ・モリス・インターナショナルが展開する「アイコス」が6割超のシェアを占めており、JTのシェアは約16%にとどまっている状況だ。
投資額8000億円の内訳としては、8割を販売促進や広告宣伝に、残る2割を設備投資や新商品開発に充てると説明している。特に、昨年5月に発売した加熱式たばこ「プルーム・オーラ」の販売に力を入れる方針を示した。
煙やにおいが少ない加熱式、若年層中心に需要拡大
加熱式たばこは、煙やにおいが少ない特徴から、若年層を中心に需要が着実に伸びている。業界関係者の間では、今後数年で従来の紙巻きたばこの市場規模を上回るとの見方が強まっている。筒井社長はこの市場動向を踏まえ、積極的な投資戦略を打ち出した形だ。
国際展開についても、「加熱式市場が大きい地域や、今後の成長が期待できる国で事業を展開する」と述べた。具体的には、すでに進出している欧州やアジアでの販売拡大に加え、加熱式たばこの規制が厳しいとされる米国市場への参入も目指す方針を示している。
競合他社との差別化と市場奪還が課題
JTにとって最大の課題は、フィリップ・モリス・インターナショナルなど競合他社との差別化を図りながら、国内市場でのシェアを奪還することだ。8000億円という巨額投資は、商品開発と販売促進の両面からこの課題に取り組むための戦略的決断と言える。
筒井社長のリーダーシップの下、JTが今後どのように加熱式たばこ市場で存在感を高めていくか、業界関係者の注目が集まっている。投資効果が現れる2028年までに、市場シェアがどのように変化するかが焦点となるだろう。



