EVモーターズ・ジャパン、社長が引責辞任を発表
電気自動車(EV)の開発・販売を手掛けるEVモーターズ・ジャパン(EVMJ、本社:北九州市)は、2026年2月20日、販売したEVバスにおいて不具合が各地で発生したことを受け、創業者の佐藤裕之社長が2月28日付で引責辞任すると正式に発表しました。後任には、3月1日付で角英信副社長が昇格し、新体制での再建を目指す方針です。
大阪・関西万博でのトラブルと国交省の対応
同社のEVバスは、大阪・関西万博でも使用されましたが、走行中に突然停止するなどの深刻なトラブルが相次ぎました。これを受け、国土交通省は昨年9月、販売した全317台の点検を指示。その結果、113台で不具合が確認され、国交省は運行停止と修理を命じました。これらの車両は、中国のメーカーから輸入販売されたもので、EVMJは昨年11月、設計上の問題によりブレーキが利きにくくなる恐れがあるとして、国交省にリコールを届け出ています。
創業から期待された国産化への道のり
EVMJは、佐藤氏が2019年に創業した企業で、商用EVの国産化に向けた取り組みとして大きな期待を集めてきました。西日本鉄道をはじめとする九州の企業や大手商社などから出資を受け、2023年末には国内初となる商用EV専用の量産工場の一部が完成。年間1500台の生産目標を掲げ、政府も同社のバス普及を側面支援しており、2023年2月には西村康稔経済産業相(当時)が視察に訪れるなど、官民一体のプロジェクトとして注目されていました。
しかし、今回の不具合問題により、安全性への懸念が浮上し、創業者の辞任という形で経営責任が問われる結果となりました。今後の対応として、EVMJは修理作業を急ぐとともに、品質管理体制の徹底を図り、信頼回復に努めることを表明しています。この事態は、EV市場における輸入車両の品質管理や国産化戦略の課題を改めて浮き彫りにするものとなり、業界全体に影響を与える可能性が指摘されています。



