EV市場で「300万円台」時代到来、電池価格下落で手頃な電気自動車が続々登場
EV市場で「300万円台」時代到来、電池価格下落で手頃な車が続々

EV市場で「300万円台」時代到来、電池価格下落で手頃な電気自動車が続々登場

米国での電気自動車(EV)販売促進策の縮小により、販売台数の伸びが鈍化し、悲観論が強まる一方で、手頃な値段で購入できるEVが市場に登場し始めている。電池の改良やコスト削減により車両価格が下落しており、今後のEV普及のけん引役となる可能性が高まっている。東京オートサロン2026でも、BYDの軽EV「ラッコ」が注目を集め、今夏の販売が期待されている。

各社が価格攻勢を展開、EV購入の壁が低下

BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は、東京オートサロン2026で、軽EV「ラッコ」の航続距離が200キロを超える性能を紹介した。価格は未発表だが、BYDはこれまで「ATTO3」などで約30万円の値下げを断行し、期間限定で最大117万円の値下げも実施して話題を呼んだ。これにより、国内輸入車販売でのEV割合が初めて15%を超える成果を上げている。

テスラや現代自動車(ヒョンデ)も価格攻勢を仕掛けており、EV購入の大きな障壁だった価格が徐々に下がり始めている。トヨタ自動車は、EV「bZ4X」のベースモデルを約70万円引き下げて480万円で発売し、消費者に好評を得た。その結果、2025年10月から12月の国内EV新車販売台数で、四半期ベースでトヨタが初めて1位を獲得した。

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電池価格の大幅下落が背景、アフォーダブルEVが台頭

手頃な価格のEVは「アフォーダブルEV」と呼ばれ、伊藤忠総研エグゼクティブ・フェローの深尾三四郎氏によれば、日本での価格目安は300万円程度とされる。この台頭の背景には、電池価格の大幅な下落が大きく影響している。産業技術総合研究所の倉谷健太郎氏は、車載電池がEVコストの約3分の1を占める点を指摘し、コスト低減が進んでいることを強調する。

ブルームバーグNEFの調査によると、2025年のリチウムイオン電池の単位当たり価格は、2013年と比較して80%以上も下落している。このコスト低減により、欧州ではアフォーダブルEVの新規需要開拓が進んでおり、独フォルクスワーゲンが2万5000ユーロからの手頃なEV「IDポロ」を投入する計画だ。さらに、EUは小型EVを優遇する新規格を設定する方向性を示し、普及を後押しする見込みである。

日本市場での動向と課題、補助金でさらに手頃に

日本でも、スズキが399万円のEV「eビターラ」を発売し、日産自動車は新型「リーフ」に手頃なベースグレード「B5」を発表した。国の補助金を活用すれば、自己負担額が300万円を切るケースもあり、東京都などの自治体補助金を加えると、さらに安価に購入できる可能性が高まっている。

しかし、日本のEV普及には、公共充電施設の不足や航続距離への不安、中古車売却価格の低迷といった課題が残る。国は2030年までに充電インフラを従来目標の2倍である30万口に拡大することを目指しており、電池価格の下落と合わせて、EV市場にどのような影響を与えるかが注目される。

国際エネルギー機関(IEA)の報告によれば、中国では2024年に販売されたEVの3分の2が、同じサイズのエンジン車よりも安価だったという。一方、日本のEV販売市場は世界的に見て小さく、調査会社「EV Volumes」のデータでは、新車販売に占めるEV割合が1.2%で54位と低迷している。ノルウェーが87.4%でトップ、中国は32.0%で10位、米国は7.4%で35位となっており、日本での普及促進が急務となっている。

EVの普及には、排ガスによる大気汚染解決という要素もあるが、日本では排ガス汚染から脱却しつつあるため、EVの必要性を認識しにくいとの指摘もある。それでも、電池価格の下落と手頃なモデルの登場により、EV市場は新たな段階を迎えつつある。

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