トヨタ、春闘で6年連続満額回答 グループ各社も相次ぐ高水準賃上げ
トヨタ春闘6年連続満額回答 グループ各社も高水準賃上げ (18.03.2026)

トヨタ自動車、春闘で6年連続の満額回答を実施

トヨタ自動車は2026年の春闘において、労働組合からの賃上げと一時金の要求に対して、6年連続となる満額回答で決着させました。この回答は、米国の関税政策による経営環境の悪化や、多くの販売店で人気車種の受注制限がかけられている厳しい現状を労使で共有した上で行われました。さらに、働き方の変革や生産性向上についての議論を深める重要な機会となりました。

経営環境の厳しさと労使の一致

回答日となった3月18日、トヨタの近健太執行役員は労使協議会で「生産性向上と収益構造の改善は待ったなしだ」と危機感を表明しました。同社は2026年3月期の連結営業利益を3兆8000億円と高い水準で見込んでいますが、米国の関税政策により約1兆4500億円の下押しが予想されています。また、海外市場では低価格車を迅速に投入するメーカーとの競争が激化しており、佐藤恒治社長は「気を抜けばすぐに足元をすくわれる」と警鐘を鳴らしました。

経営側と労働組合側は2月25日から4回にわたる議論を重ね、生産性のさらなる向上や損益分岐台数の引き下げに向けた挑戦で方向性を一致させました。佐藤社長は「今必要なことは、全社一丸となり厳しい見通しの未来の姿を変えることだ」と述べ、組合側の要求(賃上げ8590~2万1580円、一時金7.3か月分)に満額で回答しました。トヨタ労組の鬼頭圭介執行委員長は記者会見で、「外部環境が厳しい中、要求通りの回答はありがたい」と感謝の意を示しました。

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グループ各社でも満額回答が相次ぐ

トヨタグループ各社でも満額回答が目立ち、今後の取引先への波及が注目されています。豊田自動織機は例年よりも早期に労使協議を行い、要求提出後初めての協議となった2月25日に異例の早期満額回答を実施しました。デンソー、アイシン、ジェイテクトなどグループの中核企業も労組の要求に対して満額回答で応えています。

全トヨタ労働組合連合会(314組合、約36万人)によると、3月18日午後7時時点で10を超える主要企業で満額回答が確認されました。2月中旬の要求提出時点では、製造系組合(トヨタ労組除く)の平均賃上げ要求額は1万7820円と、過去最高水準だった2025年春闘と同程度でした。回答はまだ出揃っていませんが、昨年並みの高水準賃上げへの期待が高まっています。

持続的な賃上げに向けた課題

賃上げを継続させるためには、技術革新や生産性向上による収益増加が不可欠です。全トヨタ労連の平野康祐事務局長は記者会見で、「単年の賃金の議論にとどまらず、多くの労使で持続的な賃上げ原資をどう生み出すかという議論ができた」と評価しました。この春闘は、厳しい経営環境の中でも労使が協力して未来を切り開く姿勢を示す重要な事例となりました。

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